未だ空の先
しがなめ
プロローグ——小夜
この物語は、ひょんなことから別世界に入り込んでしまった、私の姉の話。
私たちは三姉妹です。
姉のことも尊敬しています。一番励ましてくれて、守ってくれて。甘えさせてくれています。
申し遅れました、私は末っ子の迷井小夜です。
普段は家族に対してはおちゃらけていますが、初対面の人や目上の人には、礼儀正しくあることを心掛けています。
——そんなことを言っていても、私はまだまだ子どもです。最近中学生になりましたが、お姫様とか、宝石とか、キラキラしたものが大好きです。
童心を忘れないことは大事なんですよ。まあ、私の姉の結星のように、高校生になってもプリキュアを見ろ、と言っているわけではありません。
人によりますから。
……そう言う私の精神は、森に住んでいると言うことも相まってなかなか成長しないままなのでしょう。
しかし、あの小学六年生の冬の夜に、森で起こったことは結果的には、私にも姉にも、そして両親にも成長をもたらしたわけですから——私はそれはそれでよかったのだ、と思うことにしているのです。
鮮明に思い出せます。
迷井凛月の姿を。
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