第16章 アジアをぶっ壊せ!Uー20アジアカップ

第383話 Uー20日本代表


 ※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。












「以上、このメンバーでアジアカップを戦って行きます」


 多くのカメラが向けられ、フラッシュが眩しく光る中でUー20日本のメンバーが発表される。


 2年に一度のUー20ワールドカップ、それに出場する為のアジアカップの戦いへ向かう者達は21人だ。



 GK

 藤堂正勝(シングFC)

 大門達郎(立見高校)

 三好五郎(牙裏学園)


 DF

 神明寺弥一(立見高校)

 八神想真(最神第一高校)

 仙道佐助(八重葉学園)

 月城亨(八重葉学園)

 青山番(東豪大学附属高校)

 広西冬夜(桜王学園)

 辰羅川弥之助(横浜グランツユース)


 MF

 緑山明(立見高校)

 影山真樹(立見高校)

 天宮春樹(牙裏学園)

 仙道政宗(八重葉学園)

 三津谷光輝(最神第一高校)

 白羽守(アルザスSC)


 FW

 歳児優也(立見高校)

 照皇誠(八重葉学園)

 酒井狼騎(牙裏学園)

 室正明(琴峯高校)



 選ばれた20人はいずれも高校サッカーで知られる猛者達、それに加えて海外で活躍する者やプロユースで活躍する者も居る。



 フランス国際大会を制したメンバーを軸に新たな力を加えて行く中、21人目で呼ばれた名は皆が見慣れない名前だった。





 千葉にあるUー20日本の代表合宿所、此処にアジアカップを戦う代表達が今日集う。


「後は大学ってつもりだったけど…選ばれたんだなぁ僕」


 荷物を持って合宿所の建物を見上げるのは今回マッテオによって初招集となった影山。

 シャドウボランチとしての活躍が評価されたようだ。


「良いじゃないですかー、高校卒業前にもう一花咲かせちゃいましょうよ♪間宮キャプテンからもぶちかまして来いとか言われてるでしょー?」


 同じ立見から招集の弥一、何時もと変わらぬ明るい調子で影山に話す。


「いや、まあ…うん。やるからには精一杯やらせてもらうよ」


 日の丸を背負う代表に選ばれたからには全力を尽くす、間宮からの後押しもされていて彼の分も頑張ろうと影山は気を引き締める。


「影山先輩以上に緊張してるのが向こうに居るぞ」


 優也が見つめる視線の先、そこには緊張している様子の明が居た。



「何で…俺、選ばれたんだ…手違いでも起こったんじゃあ…」


「そんな訳ないだろ?総体に加えて選手権でも最優秀選手取るぐらいの活躍したんだから、そりゃ選ばれるって!」


 緊張からブツブツ呟く明に大門は落ち着かせようと声をかけ続ける。



「うちからキックオフゴール決めといて今更ビビるんじゃねーっての!」


 そこに声をかけて来たのは月城、八重葉の面々も到着していて弥一と照皇が軽く挨拶を交わす。


「照さん、調子はどうですー?」


「悪くはないが、此処からまたコンディションを上げていくつもりだ」




「よー、此処で同じチームになれたなぁ優也!」


 立見の影山、明と同じく今回がマッテオの代表初招集となった冬夜。

 優也と幼馴染同士、このUー20でチームメイトとして共に過ごす。


「ああ…人生どうなるか分からないもんだな」


 かつては速さで競い合っていたライバル同士、優也は冬夜と話しつつ少々昔を思い出していた。


「もう皆集まってますよー!僕達もしかして遅刻!?」


「うるせぇ、時間ならてめぇで確認しただろうが」


 到着すれば既に他のメンバーが揃っているのを見て、五郎が遅刻したのかと焦るが狼騎は気にする事なく歩いて行く。


「また賑やかになりそうだなぁ…」


 2人の様子にやれやれと苦笑しつつ春樹も後に続く。



「揃っとんなぁー、高校のオールスター集結!って感じやろ?」


 想真と光輝も姿を見せ、その隣で目立つ長身の人物。室も一緒に現れる。

 途中で想真達と合流してそこから共に来たようだ。


「そのオールスターにマキさん入れなかったのは残念だけど…いや、俺がその分暴れて土産話届けよ!」


 本当なら巻鷹と共にこの場所へ立ちたかった、その思いがあった室だが彼の分まで大舞台で暴れ、活躍を届けようと切り替えた。


 選りすぐりのメンバー、その中には優秀だが選ばれなかった者も数多く居る。室と共に組んできた巻鷹もその1人だ。


 サイドの選手は特に優秀な選手が多く激戦だったせいか、彼は今回落ちていた。


 会見では慎重に選出し、自信あるメンバーを選んだとマッテオは語る。

 これが今考えられるベストメンバーだと。



 辰羅川も来ると辺りを見回す。


「(白羽とか藤堂は遅れてるか…ま、しゃーないな)」


 合宿初日、海外組である白羽と藤堂はこの場に姿を見せていない。


 所属クラブの事情もあって合流が遅れているのだろうと辰羅川は納得する、自らもいずれプロに上がったら2人と同じ立場になるかもしれないのだから。


 キャプテンの藤堂が合流するまでは自分がこのチームを引っ張ろうと張り切っていた。




「ようこそUー20を戦う若き代表の皆さん」


 合宿所に集結した選手達の前に、コーチやスタッフ達と共に姿を現したマッテオは選手達へ挨拶する。



「世間では今回の代表はかつてワールドユースと言われた時代に準優勝した黄金世代の再来、そう言われる程に期待度は高まっています」


 弥一や立見が伝説と歴史を作ったのを筆頭に行なわれたハイレベルの高校サッカー。

 フランスの大会、国際舞台で世界との強豪相手に優勝。

 自然と世間の期待は準優勝を超える成績、世界一を得られるのではと思われている。


 戦う彼らも期待されている事は分かっていた。



「アジアカップはただ予選を通過するだけではありません、優勝。アジアのチャンピオンに輝いてからUー20ワールドカップへと行く。それが今回アジアカップにおける目標です」


 Uー20ワールドカップへの出場は優勝せずとも出られる、だがマッテオはあえて優勝を言葉として出した。


「韓国、イラン、オーストラリア等…アジアにも強豪は沢山います。だが彼らを避けて…海千山千の世界に勝てるとは思えません」


 日本以外のアジアにおいての強豪国、日本の永遠のライバル韓国を筆頭にアジアカップ制覇を狙って来る事だろう。


 その彼らを避けて優勝を本気で狙えるか、答えはNOだ。


「アジアの頂点に立つ事、それが今大会君達に課せられるミッションです」



「(何処にも負ける気なんざ更々ねぇって事か…フン、ジジイに言われなくてもそのつもりだ)」


 全ての相手に勝とうとしているのは狼騎も既に決めている、獲物を狩る邪魔は何者だろうがさせるつもりは無い。


「(アジアの頂点…それぐらい取れなければ本大会の優勝は届かない、か)」


 アジアを軽視している訳ではない、だが世界一を目指すならそこは通過点。

 世界の頂を見据えて照皇が静かに闘志を秘める。



「(どっちにしろアジアカップで全試合無失点のつもりでいたし、ま…本大会も無失点だけどね)」


 弥一の関心、目指す物は全試合無失点での優勝。アジアのみならずUー20ワールドカップでもそれを当然の如く狙って行く。



 それぞれが決意する中、合宿はスタートする。





「ふう〜、やっと着いたかぁ…」


 同じ頃、千葉の地に到着した1人の少年。



「さむっ…!もうちょっと厚着するんだった」


 日本列島を襲う冷たい風に身を震わせつつ目的地へと急ぐ。


 彼こそがUー20の代表、21人目の選手だ。


 グレーのキャップを被りラフな格好で真冬の服にはやや合わない軽装、日本の厳しい冬を予想してなかったような格好をしている。


 少年の存在が日本にどのような影響を与えるか。





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 此処まで見ていただきありがとうございます。


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 想真「お前暖かい食い物なら何でもええやろ」

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