第17話 新しい領主
首都の貴族達がレオン・ランカスターについての話題で持ちきりになっている頃、ドヤっとしている人達が居た。
彼らはランカスター領内に住んでいる貴族達だ。彼らは首都に居る貴族達よりも一足先に知っていた。レオン・ランカスターは立派な当主だと。
ランカスター領内に住んでいる貴族達は気づいていた。
レオン・ランカスターが当主になってから、前当主がずっと放置してきた道の修繕がされ、最近ランカスター領内の貴族達の間でも度々話題にあがるほど困っていた農作物の生産も当主のアドバイスで良くなった。むしろ以前より豊作になったという事を。
前当主の頃にランカスター家の屋敷で働く者達から聞く、噂は全て最悪だった。その為、ランカスター伯爵夫妻となるべく関わらないようにする貴族も多かった。だからこそ次期当主のレオン・ランカスターについても首都の貴族と同じく噂でしか知らない者がほとんどで、正直に言って大丈夫なのかと心配こそしていたが期待はしていなかった。
前当主らが亡くなったと聞いた時、暫くは様子を見てダメそうだったら首都へ引っ越そうと検討していた貴族がほとんどだった。
結果、良い意味で裏切られたのだが、、。どんどん問題が解決していく領地、当主は噂通り優しそうだが優しいだけじゃなくきちんと頼りがいもありそうな立派な領主だともう分かる。
それだけでも領地に留まろうと決意した貴族だって居たのに、それから次々と国1つは軽く滅ぼせると言われているフェンリルと契約、王族も気に入っているというかるたを発明と期待せずには居られない。
"今回の当主は違う"全員がそう思った。
ランカスター領内の貴族はレオン・ランカスターが当主になってからというもの、ワクワクが止まらなかった。
特に年配の貴族が。彼らは前々当主が起こした奇跡を見てきたからだ。荒地と化していたこの土地を首都と比べられるほどまでに発展させてきた前々当主の事を。だからこそまた前々当主のような変化が、奇跡が見れるのではないかと期待に胸を膨らませた。
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