第23話
23話
さて、迷宮五層の攻略は順調だ。戦闘はほとんどダルクが済ませてくれている。
この子、まったく息切れしない。剣も鈍らないし、スタミナもメンタルも強いな。
「いやぁ、体を動かすのは楽しいですね!」
「いつもあんな感じ?」
「ええ、あの子だけは我が騎士団でも特別プログラムを組んでおりまして……」
他の騎士の数倍の負荷のトレーニングをさせているようだ。そうでもしないと元気すぎてじっとしていられないからと。ある意味すごいな。
「ま、優秀って事かしらね」
「実力に関してだけは、間違いなくそうかと」
騎士としてはちょっとアレだけどね。兵士とか冒険者をしていたら、もっともっと上の地位に居られたかもしれない。
「ですが……あの子は、騎士以外になりたがらないでしょう」
「ふーん……」
ダルクは、パパに命を救われた事があるらしい。北の盗賊から助けられた、って事は、あの時か。俺が盗賊の居場所を突き止めた時だ。
根城に運ばれる途中の馬車から救われたのが、女の子数人。そのうちの一人がダルクだと。
「パパに救われたから、家に命を捧げるのね。素敵じゃない」
「私も、そう思います。……が、もうすこし礼儀のほうも……」
ウチでゆっくりと鍛えていけばいい。家に尽くす気があるなら、ちょっとずつでも身に付けていけるさ。
さて、迷宮五層を楽々進み、ボスエリア手前。
ボスというのは、大抵がそれまで出た魔物の上位種だ。
ここで言うと、ゴブリン系。ゴブリンナイトとか、ゴブリンキングとかか。キングはさすがに無いと思うが。
「キングでもなんでも、私の敵じゃないですよ! かかってこい!」
うん、じゃあダルクに任せるか。
「油断はしないように」
「なんかあったら助けてくださいね、団長、副団長! 」
「なんかある前に私が止めるわよ」
「心強いです!」
では、ボスエリアに侵入だ。
ボスは、ゴブリンウォーリアーを数体従えた、ゴブリンナイトだった。
ナイトが持ってるのは多分、魔鉄の剣かな。鉄に魔力を馴染ませた物だ。うちの騎士たちの武器の下位互換だな。
魔鉄とただの鉄との違いは、相手の身体に纏われている魔力への干渉力だ。
普通の鉄だと身体強化に阻まれるところ、魔鉄だと身体強化に使っている魔力に干渉して、弱めたり解いたりできる。もちろん、相手の身体強化の練度によるが。
「ナイト勝負ですね! さすがに負けないっすよ!」
ダルクはいつもと違い、強く踏み込んだ。
流れるような回転斬りで、数体のゴブリンウォーリアーは装備ごと切り裂かれ、動けないまま絶命。
後方で機を狙っていたナイトはそれに反応し、剣をあわせる。剣は欠けることもなくダルクを受け止めたが、フとダルクのほうに半歩分ふらついた。ダルクの重心がほんの一瞬だけ後ろにそれたのだ。その瞬間、ダルクがナイトの剣を受け流し、そのままナイトの首に剣を滑らせる。ナイトは顎をひいて兜で受けた。が、さすがに受け止めきれなかったのか頭が揺れ体がふらつく。すかさずダルクが胴に蹴りをいれ転倒させた。そして、後ろに転がりながら起き上がろうとするナイトに正面からスピードをのせた突進、トドメの一突き。
「やるじゃない」
「ゴブリンナイトも、思った以上に動けておりましたね」
この難易度のボスにしては、少し厄介な強さだったな。
ああ、パーティでの攻略が前提なのかな?
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