聖域≪ザンクトゥアリウム≫に魅入られし魔眼

野月よひら

プロローグ

 深い森と谷を持つ国、クルトル。

 かつては宿敵シュナグランドに住む土地を追われた国である。


 迫害され、魔の民と恐れられていたはずのクルトル国が、いかにして歴史の表舞台に再び舞い戻ることができたのか。

 その真実の片鱗は、とある伝承を読み解くことでおぼろげながら輪郭が分かってくるだろう。

 その伝承は、歌や碑、書など様々な手段をもって伝えられている物語だが、どの話も必ずこの一節から始まるのが常であった。



 クルトルの、狼王。

 大地の瞳を持つ娘と出会う。

 その娘の瞳は、空の青。または新緑の緑、そして大地の褐色に輝いていた。



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