転生しちゃった… 目が覚めたら俺勇者… 50Gで装備整えて魔王を倒してまいれ!って言われても…

HIROKI526

Lv.1 目覚め〜旅立ち


※「…おきなさい。おきなさい。わたしのかわいいヒロキや…」


俺「……ん……うーん……もう朝?……」


※「…今日はとても大切な日。ヒロキが王様に旅立ちの許しをいただく日だったでしょ?」


俺「…ん?…うーん…母ちゃん、何言って…」


※「この日のために、お前を勇敢な男の子に育てあげたつもりです。」


俺「…………?…………」


※「…さあ、早く起きるのです…」


俺に呼びかける声の主は、俺を覆う布団をめくり上げた。照り付ける朝日が眩しく、俺は一度開きかけた目を再び閉じたが、すぐにそこがいつもの自分のベットではない事に気が付いた。


俺「……え……? ……ここ……どこ……?」


※「おはよう、ヒロキ。今日は誕生日だね。16歳の誕生日おめでとう」


俺「…16歳? …え…? …てか、だれ?」


※「どうしたの? 寝ぼけちゃって… 今日は大事な日なんだから、しっかりなさい。さ、顔洗ってらっしゃい。」


俺「え、うん…。えーっと?」


状況を掴み切れぬまま洗面台へと向かう俺…

今何が起こっているのか、考えてみる…

俺は伊藤宏樹─

都内の高校に通う高校 1年生だ。

今日は16歳の誕生日だった。

誕生日を迎えても、誰も祝福の一言も言ってくれなかった事にふて腐れ─ そうだ、

もう帰って寝ようと思い帰路してたところ、

急にトラックが飛び出して来て──。

──そこからはどうなったのかわからない。

が、避けれた気は全くしない。


直前の状況を一通り整理したところで、鏡に映る自分の姿を見て、衝撃を受ける。

鏡に映っていた俺は、昔やったRPGゲームの主人公、勇者だった。


俺「えぇーっ!なにこれ!何コレ? どういう事? 俺、勇者になっちゃったの??」


夢かと思い、頬を抓ったり、自分をビンタしたりしてみたが… ちゃんと痛い。どうやら、夢ではないらしい。俺はRPGゲームの中に入り込み、勇者になってしまったようだ。

─って事は、俺はやっぱり、トラックにぶつかって死んでしまったのか? 死んで、このRPGの世界へ転生した?

「16歳の誕生日」つながりで、このゲームの勇者になった?


疑問は後から後から湧いてくる。


※「準備はできた?それじゃ、行くわよ。さ、母さんに付いてらっしゃい。」


俺は渋々、この「お母さん」に付いていく。

お母さんは少し歩き、お城が見える通りの前で止まった。


※「この先に行くとお城です。王様にちゃんと挨拶するのですよ。ではいってらっしゃい。」


俺「…ありがとう。行ってきます…」


王様に挨拶か─

正直、気乗りはしない─

たしか、ちょっと話して魔王を倒してきて!って言われた気がする…

でも、王様に会わないと─ なにも話進みそうにないな…

しょうがない…会うか…


てか、俺これ16歳設定だよな?


※「…おきなさい。おきなさい。わたしのかわいいヒロキや…」


てやばくない?

過保護かっ!

子離れできないお母さんかっ!

起こすためとはいえ、16歳息子の部屋には不意にズカズカ入っていかないほうがいいぞ?

エッチな本とか落ちてるかもしれないし…

下手したらオ〇〇ー現場(自主規制)とか鉢合わせちゃうかもしれない…


まあ、それは今はいっか。

とりあえず、気は進まないけど、王様に会おう。


─────


王様「勇敢なる男ゴリゴリラの息子、ヒロキよ。よく来たな。


俺(ゴリゴリラ?)


王様「お主の父ゴリゴリラは、壮大なる冒険の末、大穴に落ちて帰らぬ者となった」


俺(いいえ、私の父、伊藤太郎は、競馬で大穴狙いの末、万馬券が当たり笑いながら帰ってきました。つい昨日の話です)


王様「しかし、その父の跡を継ぎ、旅に出たいというそなたの願い、しかと聞きとどけたぞ!」


俺(言ってません、思ってません。できれば家から出たくありません)


王様「敵は魔王AIドラゴン、暴走したAIが作り出した、史上最強のドラゴンじゃ」


俺(そこは現代風なのね)


王様「人々はまだAIドラゴンの存在すら知らぬ」


俺(そーすか?AIどんどん普及してるから、想像くらいできるんじゃないですか?)


王様「しかし、このまま何もしなければ…やがて世界はAIドラゴンの恐怖に陥る事になるだろう…」


俺(…かもね)


王様「ヒロキよ!魔王AIドラゴンを倒してまいれ!」


俺(出たー。最強無茶振りー)


王様「町の酒場で仲間を見つけ、これで仲間達の装備を整えるがよかろう。」


俺(お!お金くれるの?!)


俺は50G受け取った。



俺「………」



王様「ではまた会おうヒロキよ。」



俺「………」



王様は自室に戻られた。



俺「………」



俺「………」



俺「………少なっ!」


俺「…あーあぶね!思わずビックリして、王様の前で言っちゃうとこだったぜ💦」


俺「えぇーっ?50Gって少なくない? これ、日本円だとどれくらいの価値? 安いとこだと、8Gくらいから泊まれるホテルある事考えると… 1G約1,000円? 50Gは約5万円? だとしても安すぎだろ! 俺に世界の命運かかってんじゃないの? ビックリだよ!」


俺「そしてあと、俺じゃなくて、本当の勇者くんっ! 王様から50Gもらって、全所持金50Gって… もともと0かーい。旅出るのに0スタートするつもりだったんかーい。無謀すぎだろー。なんとかなると思った? 君はゆとり世代かい?」


まあ、いろいろ思うとこはあるけど、次に行こう。


─────


俺「次は酒場で仲間探しだな。

どうせなら美人でグラマーなお姉さん達と…」


仲間探しスタッフ

「スタイルは選べないけど、職業と男性/女性は選べるよ」


「ちなみに、ヒロキさんには既にAIが導き出したオススメ仲間が来てくれてるよ!」


俺「えっ!そうなの??」


仲間探しスタッフ

「タマネギさーん、リンゴさーん、ミカンさーん、ヒロキさんがお呼びよー」


3人がやってきた!


「よろしくね! ヒロキさんっ!」


俺は目を疑った!


俺「かっ……かわいい…」


テレビで観るようなアイドル…

いや、アイドル顔負けのS級美少女達がそこにいた!


タマネギ「戦士タマネギです!以後お見知りおきを…」


俺「…あっ…ああ!よろしくね!」


リンゴ「リンゴだよ❤️ 魔法使い❤️ よろしくね!ヒロぽんっ❤️」


俺「ヒロぽんっ汗 よろしくね!リンゴ」


ミカン「僧侶のミカンですっ!ヒロキさん、よろしくお願いしますっ」


俺「ああ!よろしくね!3人ともよろしく頼むね!」


─────


こうして俺は、勇者として3人のS級美少女達と旅に出る事になった。

魔王退治の旅なんて、絶対行きたくなかったが、こんなハーレムパーティーで行けるなら悪くない。やる気は出てきた! 見てろよ! こうなったら、下剋上だ!

俺達が魔王を退治してやるぜ!



ポンコツ勇者ヒロキと

3人のS級美少女達の

魔王AIドラゴン退治に向けた冒険の

はじまりはじまり〜



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る