G戦記~WAR OF GARGANTUA~
シンカー・ワン
開戦前夜
THE UNIVERS
人類が
大国と大国が、威信をかけ、始めた宇宙開発競争。
一方が成層圏を越えれば一方は人工衛星をあげ、動物搭乗が成功すれば有人飛行、衛星高度到達、宇宙遊泳と加速度を増していった。
そしてついに一番身近な天体、月へと一方が辿り着いたところで一応の決着をみせる。
人類が月面に足を踏み入れたことで、世界は緩やかにだが大きく変わり始めた。
月から見上げた宇宙の広大さから、母なる星の小ささを知った人類は、恐る恐るながら手をつなぎ合う。
国家という枠を超え、世界規模で本格的な宇宙開発がスタート。
けして一枚岩ではないが、それでも世界はひとつになった。
数十年をかけて軌道エレベーターを築き上げ、それらを繋ぐオービタルリングを月への足掛かりに。
月面に築いた基地を起点にして、大々的な月の資源探索。
月の裏側の地下から、氷結した太古の水源が発見されたことが、開発に拍車をかけていく。
月開発のために、多くの人々が月へと送り込まれていった。
基地は街になり都市へと発展、そして月面各地へ次々に作られていく。
開発が順調になりだすと、開発従事者たちは家族を呼び寄せ、そこで生活を営むようになる。
月面都市の数が二桁になるころには、本格的な移民政策が始まった。
かつての大航海時代のごとく、新天地を目指した人々で月面はあふれかえり、月は人類第二の生活圏に。
移民の多くが有色人種や飢餓と貧困にあえぐ発展途上国からだったことで、白人至上主義の棄民政策とも揶揄された。
一部にはそういう思惑もあったのだろうが、ほとんどの人々は宇宙に夢と希望を抱え移り住んでいったのも事実。
月へと渡った人々は、
世代交代が進んでいくうちに月面はさらなる発展を遂げる。
宇宙へと広がった人類の
希望に満ちたはずの新天地だったが、年月を重ねていくごとに、かつての故郷と同じ道を歩み始めていく。
生活環境と経済の安定から、地球からの独立・完全自治を求める宇宙側に対し、地球側は属国からの脱却を許さなかった。
――続く――
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