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泣いて呆然として、悲しみと怒りを繰り返し、しばらくして虚無になる。そんな感情の起伏を何度も繰り返し数日が経った。
眠ることはできたし、ご飯も食べた。
母には別れたとだけ伝えた。
別に初めての彼氏ではないから母にとっては「またか」みたいなものだった。
学生同士の恋愛だから、別れたからと言って法的な何かがあるわけではない。
でもふと冷静になると、アノ人が彼名義で契約してくれたあの頃流行っていた通話料無料のサブ携帯のことを思い出す。
借りていたCDとかもあったし、来月旅行の予約もしていた。
別れを告げられた直後は、すがるようなメールを一方的に送った。
出てくれない電話を何度もかけた。
それらは無視されていたから反応があるかはわからなかったが、サブ携帯のことなど冷静を装って事務的に連絡をしてみた。
30分程で返事が来て数件メールのやり取りをして、受け渡し日時が決まる。
もう一度会える期待に胸を膨らませ、本屋で買った復縁にまつわる本を読み込んだ。
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