父の顔
闇之一夜
父の顔
父に毒を盛る
死んでほしくなかったが
ぼくそっくりだったから
仕方がないのさ
父は血を吐いて死んだ
死体を隠したくなかったが
気持ち悪かったから
ぼくによく似てて
気持ち悪かった
とても不快だった
ぼくそっくりで嫌だった
抹殺したらぼくも消えた
これで罪はチャラ
マンションのお隣に
挨拶しても気づかれない
見えないからね
ぼくはもう
いないからね
最初から
いなかった気がする
でも無理なので
警察に自首した
怒鳴っても、ど突いても
ぼくのすべてが警官をすり抜ける
悲しいけど
やっと気楽になれた
天国にも地獄にも
いけないけど仕方ない
街角のテレビで
死体遺棄と
行方不明のニュース
画面の父の顔は
ぼくとともにそっくり消えていた
父の顔 闇之一夜 @yaminokaz
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます