異世界最強と現代最強の異世界道中〜異世界から来たらしいやつと魔王倒してみます〜
コーク
第1話
じいちゃんが死んだ。
ある日、いつもと同じように山にいた適当な魔物を狩り、その日の晩飯にしようと思って家に帰り「ただいま」と言ったが、返事が返ってこなかった。
そこまでは特におかしいことはなかった。じいちゃんは酒好きだったため、日中から浴びるように酒を飲み、酔い潰れることがよくあるからだ。
その日も特に違和感を抱かず、いつもじいちゃんが酔い潰れているテーブルのある部屋に行くと、案の定、と言った感じでじいちゃんが潰れていた。
いつも通り肩を揺すり声をかけたが、一向に起きる気配がない。
違和感を覚えた俺がじいちゃんの脈を測ると……止まっていた。
と言っても、そこまでの大きな悲しみが俺を襲うことはなかった。
少し前からじいちゃんは自分の死期を悟っていたらしく、「最後の会話」とかなんとか言って、酔っ払ったじいちゃんと、「悔いが残らないように」と話していたからだ。
だからきっと、あの日は雨が降っていたのだと思う。
前々の会話から、じいちゃんが死んだら旅に出ることを決めていた俺は、じいちゃんを埋めて、墓石をたて、その上からは家にあるだけの酒を浴びせた。
そのあとは家の中を整理したり、旅の準備を整えたりして、一週間が経過した。旅に持っていくものは、食料と、家にあっただけの貨幣と、じいちゃんの唯一の形見であった剣だ。
あのじいちゃんはべらぼうに強く、そんな人から剣を教わっていた俺は、『世界でもトップレベル』らしい剣の腕を身につけた。
そんなこんなで、俺は17年間お世話になった家に別れをつげ、旅を始めた。
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