第2話 異世界の女神ノノッチ
佐田大輝は目を覚ました。そこはただ広い黒い空間だった。明かりは付いてた。俺は大理石の椅子に座らされていた。ただどこまでも広い空間に灰色の床。これはもしや、異世界転生!! 異能力!! チート!! ハーレム!! ニート引きこもりの30代おっさんは心躍るじゃ無いか!! そこに女性が!! め、女神か!!
「じゃん! ノノッチだよ。」
そこには少女がいた。
「………………。ちびっ子??」
俺は可愛い美少女を想像していたがどうみても幼女だ。
「がーーーー!!!! 子供じゃ無い!! 女神さまだーーーー!!!!」
俺はおっさんながら子供に噛み付かれた。痛いがこれも何かフレンドリーで良いな。
ノノッチはピンク髪のツインテール。これまたピンクのドレス服で背丈は小2ほど。今まで何万という勇者にからかわれたのだろう。
俺と女神ノノッチは大いに喧嘩し合った。コミュニケーションって良いなあ。
「ふん!! それで本題だけど。アンタ異世界転生したい?」
「お、待ってました! 異世界行ってチート発動、勇者なぶって魔王倒しめでたしめでたしって奴だな。一度やってみたかったんだ! こんなおっさんでも勇者やれんのか?」
「だったらはい、2000万エンゴールド。」
女神は片手を前に出しお金の催促をする。
「え?」
「タダなわけないじゃん。はい、2000万エンゴールド。2度目の人生にしては破格でしょ?」
俺は驚く。
「ハーーーーーーーーーー!!!! 金取るのかよ??!!」
ノノッチは不満そうに言う。
「そうよ!! 昨今時代も手厳しいのよ。うちの異世界も勇者何度も送ってもみんなひ弱だし、やる気無いし、魔王倒さず農地作るしで大変なのでお金取る事にした。その方がやる気出るでしょ??」
俺は気づいた。転生といえば。
「チート能力は??」
ノノッチはメスガキだ。
「はーーい!! 一億エンゴールドです。」
俺は驚くしか無い。
「嘘だろーーーー!!!!」
女神ノノッチは意地悪に言う、メスガキだ。
「神様やってるこっちの身にもなってよ。女神が全力で授けた能力を農地経営? 悪徳令嬢フラグ? 勇者ザマァ? 世界の端でのんびり?
そんなものに使わせる為に私達がどんだけの努力を。」
俺も開き直る。
「あ、もう、良いです。俺転生しませーん。」
チキショー。俺に金があるわけねえだろ。なんだよ。あの世も金かよ。みんな金カネ金カネって。
女神ノノッチもメスガキだ。こっちが開き直るのは分かってたらしい。
「じゃ、地獄行きね。永遠に苦しみ続けて世界の終末にゾンビ再生。アンタは悪よ。」
「ハーーーーーーーーーー!!!!」
ノノッチは妖艶に言う、幼女なのに。
「アンタの人生はそこまで落ちてたって事。悪いようにはしないから2000万エンゴールド借金してよ。」
ぐぬぬ。親に借金だけはするな言われた人生だったが死んだら良いよな? 異世界なら踏み倒してもまた死ぬだけだし。よし、やってやる!!
「良いぜ!! ただチート能力はいらねえ!」
「はい、これ借金の誓約書。」
抜け目ねえなあ。
「誓約書、書くのかよ??」
「因みにこれ神の誓約書だから一生神の奴隷ね!! てへぺろ。」
なんとか誓約書書き終えた俺は異世界へ旅立つ。
「で、どうやって異世界行くんだ?」
ノノッチはイタズラっぽく言う。
「おじさん金なしだからなあ。床抜いてあげる。」
「え??!!」
「はーい!! バーーイ!!」
ただ広い空間の灰色の床が抜けて俺は石の椅子と共に真っ逆さまに落ちていった。これ死ぬんじゃね。て高さだがまあ、死んでもさっきの場所に戻るだけだ。俺はこの異世界で生きる事にした。
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