第2話

「ねぇ君名前なんて言うの?」


ある日の放課後、僕はいつもどうり汚された机を綺麗にしていた


するとそこに学校内で人気な春藤さんが話しかけてきた

こんな僕でも知っているくらいなのだからやはり見た目がとても綺麗だ


「?君、名前は?」


「ぇっと……佑川怜央です」


「怜央君ね、私春藤按奈って言うの」


「ぁ、知ってます」



そう言うとそっかーと軽い感じで僕の隣の席についてニコニコしている


何故話しかけたのか問うとただの気まぐれだという

そこからは色々な質問攻めが続いた

それは部活や、兄弟関係、好きなものなど


「怜央君は」


「…あの」


「僕に話しかけるといい事ありませんよ」


「……それは、」


「それは君が虐められているからってこと?」


辺りに静寂が訪れた

目を細めてスっとこちらを見つめてくる


春藤さんの言葉に少し頷く



「まぁそんなことどうでもいいじゃん!」


「え?」


「だって、私は怜央くんと話したいんだもん」


キラキラとした瞳でこちらを見つめて笑いかけてくれた


今までは僕に近づいたら自分の虐められると見て見ぬふりする奴ばかりだった


「それとも私と話すのはいや?」


「い、いや!そんな事は…!」


正直こんな僕にこんな綺麗な人が話してきてくれるなんてすごい嬉しい


今まで友達付き合いも、もちろん女の人とまともに会話もしたことが無い


だから、少しくらい夢を見たっていいと思ったんだ


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