ポール
「初めて聞いた情報です」
「初めて、話しましたからね」
「しかし、ナウロは」
「えぇ、人類最高の頭脳と評されていました」
「矛盾しているように思うのですが」
「驕りですよ」
「え」
「受け入れる欠陥と受け入れない欠陥を作り出して排除している。知性の定義は、余りにも歪だ」
「健常者の驕りということですか」
「社会正義と常識が持つ驕りです。そして、健常という言葉の定義にも含まれる驕りです」
「言葉遊びの域を出ていない」
「そう言っているのです」
「何が、言いたいのですか」
「言葉遊びではないものが、ありますか」
「屁理屈だ」
「ナウロは自殺をしました。もう二度と、彼には出会えません」
「しかし、ダウン症であるとか、知性であるとか、驕りであるとか、そのなんと言えばいいか」
「自殺を選べるだけの知性があったことは証明されました」
「それは、そうですが」
「そして、自らの死がこのような会話を起こす切っ掛けになることも分かっていたでしょう」
「想像の域を出ていません」
「えぇ、仰る通りです。もう、何も言いません。失礼いたしました」
ナウロルーポール エリー.ファー @eri-far-
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