花水木事件の全容 ~向田関吾の記録~
田無 竜
1 はじめに
前書き
まず初めに、この書について説明をしておこう。
この『花水木事件の全容 ~
全てがあくまで向田氏の記録に基づいたものであり、筆者にはそれが事実であると確認する術が無い。
しかし、氏の記録には一定以上の信憑性があり、簡単に妄想の産物と言って吐き捨てることは出来ない。
仮に全てが欺瞞だとしても、その全てを無視してはいけない。
氏が危惧した問題は確かに現実のものであり、社会が取り上げていかなくてはならないものだと筆者は考えている。
そして、読み進めていく前に諸賢に対し一つ注意を促すことがある。
この書には低俗な筆者による稚拙な構成によって成り立つ空想物語が含まれている。
それは向田氏の記録をもとに筆者が手前勝手に組み上げた拙作である。
当然向田氏以外の人物やその他一切の名称は仮名を用いている。
またこの書に関して向田氏には予め許諾を得ているが、その他の関係者と筆者は全く関わりが無い。
そのため、書の記述の全てはフィクションであり現実とは無関係のものであると考えてもらっても構わない。
いや、むしろそうして頂いた方が諸賢も安心して読み進めて頂けることだろうし、何より筆者が訴えられる恐れも無くなる。
ぜひそう考えていただきたい。
先程注意は一つと述べたが、申し訳ない。もう一つあったことを思い出した。
この書は姑息な筆者によって非常に読みづらい仕上がりになっている。
『何が』と言われれば『全て』と答えたいところだが、ここでは掻い摘んで目次一覧の説明を行っておこうと思う。
まずこの章では書についての説明と共に『花水木事件』の簡単な解説を行いたいと考えている。
もちろん有識な諸賢に改まって解説する必要などないだろうが、申し訳ない。自己顕示欲に塗れた筆者を許してほしい。
続いて次章では容疑者・
ちなみにこちらの供述も向田氏の記録に基づいたものだ。
何一つ自ら用意できない筆者をどうか許してほしい。
そして、そこから先は向田氏の記録に基づいた空想物語を綴っていく。
愚にも付かない通俗小説になるが、筆者の唯一の功績であるとも言える。
是非とも馬鹿にしながら事件の全容を諸賢も考察していってほしい。
これはあくまで諸賢がすんなりと事件への『関心』を持つに至ってほしいがゆえに創り上げたものだ。
ただその目的さえ達成できればそれで良い。
その物語が終わればまた向田氏の記録に基づいて、被害者・
最後に事件に対する筆者個人の見解を挟んで、向田氏の見解も残してからこの書は終わりを告げる。
取っ散らかった作りとなっていて申し訳ない。
ひとえに筆者の無能ゆえだが、どうかご容赦願いたく存じる。
では、ここから先は『花水木事件』の簡単な解説を綴っていこう。
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