第204話
テンション数、2。
真琴は自らの体内に溜め込んだ「テンション」を装填し、それを放出しながら闘う。
「テンション」とは一種の“ゲージ”のようなものであるが、これは彼女の魔力総数に関係なく独自に蓄えることができるエネルギーの一種で、最大で「10」まで“テンション数”と呼ばれる層を重ねることができる。
テンション数は彼女の感情の起伏によって「作用」が働く。
テンション数が重ねられる作用点の起点、およびその強度は、彼女の持つ様々な感情の種類や持ち方によって異なるが、主にポジティブなニュアンスに含まれる精神的な要素が、多くのテンション数を重ねられる要因となっている。
彼女自身自らの能力についてよくわかっていないことが多いそうだが、この「テンション」は、彼女の心臓と連動しており、一定の時間内に心臓が拍動する回数によって、“休止モード“と”活動モード”に切り替わる。
普段は休止モードであり、このモードに於いては「テンション」は機能しない。
魔族との戦闘や日常の出来事によっては即座に「テンション」が起動し、テンション数が重ねられる状態=活動モードに移行する。
しかし上述したように彼女の“気分”にはムラがあり、精神的な波の幅が大きい分、テンション数の層の数は1〜4の間に落ち着くことが多く、ここ数年は7以上の数値を記録していない。
6年前に行われたバトルフェスティバルでは「8」というテンション数を記録した試合があり、その年は予選から好調を維持し続けたことで、初の全国大会行きを決めた年でもあった。
今までテンション数が「10」に達したことはないが、天使の特性や属性別の能力値、生体情報などを研究する機関、『宇宙科学研究所(ISAS)』に於いて登録された情報によれば、彼女のテンション数の最大は恐らく「10」であるということが予測されている。
彼女の現在のテンション数は2。
弓の弦に魔力を込めながら、意識を研ぎ澄ませていた。
溜め込んだテンション数を“一撃”に込める。
ダメージ効率を最大化するために、照準を「一点」に絞っていた。
そしてそれを補助していたのは、夜月と深雪のペアだ。
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