第2話
簡潔に言うと、最悪の状況なんだ。
筆記試験に受かり、烏森町(担当区内の町であり、私の地元)の守護天使に抜擢されれば、安泰の日々が続くと確信していた。
なんせ烏森町には私が憧れていた先輩方がいる。
魔法量も知識力も段違いのエキスパートたちが。
一度でも筆記試験に落ちてしまったら、推薦枠を勝ち取れなくなる。
私は天界に召された時に、柊真琴という第七位天使の先輩と出会い、道案内をしてもらった。
その時に色々教えてもらったんだ。
天使になるか、魂を浄化して、次なる生に輪廻転生を行うか。
私は生前の記憶を持っていない。
持ってないというか、どうしても思い出せずにいた。
中には何人かいるらしい。
私みたいに記憶が飛んじゃう人が。
真琴先輩に教えてもらったのは、天使になるには魔法省に行って身分申請を通すということだ。
人間の世界にもあるような住人登録が必要みたいで、職にもつかないといけないみたいだった。
人間と違うところは、食事や睡眠の時間がないということ。
あと、住むところとかもいらない。
天使の体は人間とは比べ物にならないほど丈夫で、おまけに寿命が無い。
そりゃそうだって話ではある。
だって死んで天界に行ってるんだから、そこでまた「寿命」があるっていうのもへんな話だ。
まあ、余談はそこら辺にしておいて。
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