第10話 夢の舞台、そして新たな旅立ち

甲子園大会も終盤を迎え、風切りタイガースは決勝戦の舞台へと進出していた。対戦相手は「銀河エンペラーズ」、全国屈指の強豪として名高いチームだった。


決勝戦の前日、佐藤先生は翔太をはじめとしたメンバーたちに向かって話し始めた。「明日の試合は、今までの練習や戦いの集大成だ。怖がることなく、自分たちの野球を全力で見せてくれ。」


翔太は、この大舞台でのプレッシャーや緊張感を感じながらも、佐藤先生の言葉に力を得て、深呼吸をした。


決勝戦の日、甲子園スタジアムは熱気に包まれていた。エンペラーズのファンや応援団も大勢集まり、両チームの熱戦が期待されていた。


試合開始。翔太は先発ピッチャーとしてマウンドに立った。しかし、エンペラーズの打線は圧倒的な力を見せ、初回から2点を先制されてしまった。


タイガースの攻撃も、エンペラーズのピッチャーの鋭い球に手こずり、初回は得点を挙げることができなかった。


試合はその後もエンペラーズペースで進行。4回にはさらに2点を追加され、タイガースは4点のビハインドを背負うことになった。


しかし、5回、浩二のセンター前ヒットで出塁し、光一の二塁打で1点を返す。そして、打席に入った翔太がエンペラーズのエースの直球を逆方向へと打ち返し、2ランホームラン。一気に3-4と1点差に詰め寄った。


その後の試合は、一進一退の攻防が続いた。7回、タイガースは再び翔太のタイムリーヒットで同点に。翌8回、大地がセンターオーバーのトリプルを放ち、浩二の sacrifice fly でタイガースが逆転。


9回、翔太はクローザーとしてマウンドに戻った。エンペラーズの強打者たちを次々と打ち取り、2アウトまで進める。最後の打者も、翔太の変化球に手を出し、三振。


タイガースは5-4でエンペラーズを下し、甲子園大会での優勝を果たした。


試合後、スタジアムは歓声と拍手で包まれ、タイガースの選手たちは涙を流しながら喜びを分かち合った。


数日後、学校での優勝祝賀会が開かれ、町の人々から温かい祝福を受けたタイガースのメンバーたちは、新たな夢を胸に、それぞれの未来へと歩み始めた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る