束の間の再会

「結衣子、済まないねぇ」


 遠くから祖母の声がする。


「こんなことになるならもっと早く伝えておくべきだったよ。お前にはこんな因果な血など知ることもなく幸せに生きて欲しかったのだけど、世の中が許してくれなかった」


 泣いているようにも聞こえた。


「よくお聞き。こうなってはお前はもう自分の血を受け入れるしかない。それを使うかどうかはお前次第だよ。無力なおばあちゃんを許しておくれ」


 血を受け入れる? 使う? どういうこと?


「もう時間がない……服部先生はきっと信用できるけれど…………誰かがお前を…………私を…………わからない………………」


 …………

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