神様に恋した。懐ルート

なゆお

第始章第始話

『懐』

私の名前を呼ぶ声がした。

目を開ける。

そこは神社だった。

私は、神様だ。

運命を定める、死神だ。

それだけは分かった。

私の名前…。

誰かに呼ばれた気がした。

けど、思い出せない。

まぁ、適当に懐でいいか。

私は何をすればいいか分からない。

まだ願われていない。

だから、ここで待つだけ。


何年か、経った。

そして、誰かが来た。


「懐定神社…」

男の子だった。彼は

「こんな所で、何やってるの?」

私は彼に話しかけた。彼は、最初の願う者だから。

「死にたいんだ。いじめられててさ。でも、死ねなくて、訳も無く、来たんだ」

そうなんだ。私には死ぬって分からないし死にたいって分からないからやりづらいな。

「名前。何て言うの?」

「神道 頼」

「あぁ。そっか」

私は思い出す。ここにいる意味を。

昔、誰かに言われた。

「頼を、俺の息子を頼む。例え、俺の命を引き換えにしても」

私はそれを契約したんだ。

「じゃあ、私が何とかしてあげる」

「何言って、」

『虐めは無い』

「えっ」

『私を忘れて』

私は願いを叶えさせた。


多分、もう来ないから。

また、待とう。

「あれ?」

「また、来たよ」

「そう。ん?また?」

「うん」

忘れてない…?

「君は、何者?」

「僕は普通の中学生だよ」

「本当に?」

「うん。君は、何者?」

私はそう聞かれ、適当に答える

「ちょっと凄いお方だよー」

「へー」

「君の、おかげなの?」

「うん」

「じゃあ、ありがとう」

「えっ?」

「この恩はいつか返すよ」

「…。凄いね。」

「何が?」

「何かお願いするのかと」

「いや、これ以上貸しは無しにしたい」

「そう、わかった」

「何すればいいんだろう」

私は即座にこう言った。

「健康に過ごして!」

「そんな事で良いの?」

「うん」

じゃないと、契約が破れてしまう。

私は、神道 頼の願いを聞き入れた。

でも、もう一度、念の為、に言っておいた。

『私の事を忘れて』

そうしたら、本当に忘れられて、あまり来なくなった。

次に来たのは、高校試験の時であった。

その時には前に神社に来た事を忘れていた。


頼君はこの神社に初めて来たのは、中学の受験の時だと記憶を書き換えられていた。

まだ2月雪も降り、温度もマイナスを超えることの無い真冬だった。

「君も受験?」

私は頼に話しかけてきた。

「あっうん」

これから受験だとゆうのに弱気だ。

「奇遇だね。私もなんだ」

私は嘘をつく

「そうなんだ」

「ねぇ、知ってる?この神社私達と同い年なんだ」

だってここの神様私だもん

「?」

「つまり創立十五年ていう事」

頼君は笑顔になった。

「面白いことゆうんだな」

その笑顔を見て私もつい、笑顔になってしまう。

「ありがとう」

「なんかもう受験なんてどうでもよく思えてきた」

「それはさすがにダメだよぉ」

「あっ。そろそろ時間だ。じゃあな」

「うん。」

────────────────────

「ウ゛ッ、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

頼君は変な声を出す。

「何してんの?」

「うわ!」

頼君は私に声をかけられてとてもビックリしていた。

「受験落ちた」

「まだ結果出てないじゃん!わかんないよ」

「いや、あんな問題出すやつがバカだ。俺のせいでは…!」

「何言ってるの?」

「すみません」

「はぁ〜。しょうがない」

「?。なんて?」

「何でも」

合格発表当日。

頼君は神社にすぐさま行き、土下座して、言った。

「ありがとうございました!!」

「何してるの?」

余りにも変だったので、聞いてしまった。

「神様に感謝してんだよ」

「えっ?ありがとう」

素で返してしまった

「はっ?」

やばい…!

「お前に言ってねぇよぉぉぉぉ!!!」

勘違いしてくれて良かったー!

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