50 音信不通になり、申し訳ありませんでした


 正月早々、大変なことになったと思いました。


 能登半島地震と命名された今回の地震で、13年前の東日本大震災を思い出しました。


 あの時、母と家猫のボケと一緒に、今住んでいる家で暮らしていました。こちらは同じ東北でも太平洋側ではなく日本海側で、津波の被害はなかったし、地震の被害自体大きくなかったんですが、まだ寒い時期に停電になってしまい、電気のいらないストーブを出してきたりしました。


 余震も続いていたので、電気がつくまではとても不安でした。ですが、電気がついてテレビを見たら、怖ろしい光景が映し出されていました。


 今回の地震で、そのときのことを思い出しました。あの凄まじい悲劇を。


 こちらでは今回の地震は震度3でした。ただ、揺れが一度治まりかけたと思ったらまた大きくなってきて、とても長く感じました。


 津波警報が発令され、全放送局が通常放送から緊急放送に切り替わり、激しく揺れる固定カメラやテレビ局内の映像、津波と思われる映像や火災の映像が、次から次へと放映されました。


 次の日から本格的な被害状況がわかってきました。やはりとても大きな災害で、しかもまだ震度5強の地震が何度も発生し、停電や断水が続いている地域も多く、悲惨な状況でした。


 正月早々、地獄に落とされた人たちがいる。


 だからといって、私ごときには何もできません。何もできない。今も震度5クラスの地震が続き、石川県では100人を超える人たちが亡くなり、安否不明の人たちがまだ200人以上もいるというのに。


 呆然とテレビで報道を見ているしかありません。しかしそれも辛くなってきて、テレビを消すしかありませんでした。


 実は私、年明け前に体調を崩してまして、前年もそうだったんですが、冬場は「猫部屋を回って石油温風ヒーターの延長ボタンを3時間以内に押す」必要があるために、細切れな睡眠しか取れないという問題があるんです。


 それで書くことは勿論、読むことも充分にできなくなっていました。長時間眼鏡をかけていると視力も落ちてきてましたし。


 でも元旦だし、せめて新年の挨拶でも、と思ってました。書けていなくてよかった。いつものように、年末年始にしでかした私の失敗について、面白おかしく書こうとしてましたから。


 当然、地震の発生でそれどころではなくなりました。


 そして私は、この地方で大地震が起こった場合を考えざるを得なくなりました。同じ日本海側を震源とする強い地震は、本県の近くでは1983年から発生していませんので、そろそろ起こるのではないかという噂もあります。一部老朽家屋が倒壊してしまう前に、猫たちをどの部屋に避難させるかを考えなければならなくなりました。


 そうして私は精神的にも肉体的にも追い詰められ、何もできなくなりました。ほぼ鬱状態だったのかも知れません。最低限の猫の世話しかできなくなりました。


 この文章も、書き始めてからもう3日以上書けてないんです。でも、ようやく来るのかどうかわからない地震の不安から少しずつ解放されてきました。


 ただ、私のエッセイはいろいろと面白おかしく書いたりするのが特徴なので、被災地の方々の多くがまだ不自由な避難生活を送っているときに、書いても良いとも思えません。内容には充分気をつけて書かないといけないと思っています。


 それから、私の音沙汰がなくなったことで心配してくださった皆様、申し訳ございませんでした。読むことも書くこともできませんでしたが、少しずつ読むことから始めたいと思います。



⚫本日の猫


 確か過去に1回か2回しか写真を載せたことがない猫がいます。わけあって保健所から引き取った猫の「ミミ(オス)」です。


 日中はほとんどホットヒーターの上か石油ファンヒーターの前で寝ています。そのせいか、異常なほどの少食です。食べずに捨てた食事が一番多い猫です。ある意味、一番贅沢な猫かも知れません。


 近況ノートに写真を貼っておきます。正月にはふさわしくないドスの利いた顔をしていますが、顔に似合わず甘えん坊な猫です。

    ↓

https://kakuyomu.jp/users/windrain/news/16817330669558824915



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る