風のように雨のように猫のように

３４「ポセイドンのめざめ」と「アイランズ」とその他

　なんか、セクシーな回が続いたような気がするので、ちょっと反省して真面目にやります。

　今回はキング・クリムゾン教神父としての布教活動がメインです。（← 嘘）

⚫「ポセイドンのめざめ」と「アイランズ」

　別のエッセイでも書いてるんですが、キング・クリムゾンといえばファースト・アルバムの『クリムゾン・キングの宮殿』と７枚目のアルバム『レッド』が最高傑作といわれています。

　今回はセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』と４枚目のアルバム『アイランズ』から、それぞれ表題曲「ポセイドンのめざめ（In The Wake Of Poseidon）」と「アイランズ（Islands）」を紹介します。

　どちらも某有名動画サイトのオフィシャル・チャンネルで視聴することができます。

（※「Islands」の曲の長さは１１：５３になっていますが、実質９：１５で曲は終わっていて、その後はリハーサル風景のような音が入っています。なぜそこをカットしないのかは不明です）

　キング・クリムゾンはファースト・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』を発表してライブ活動をした後、空中分解してしまいました。

　一人だけ残ったのが、ギタリストのロバート・フリップ。クリムゾンはおそらくレコード会社とアルバム２枚をリリースする契約を締結していたものと想われ、フリップは旧メンバーのうちの２人、ボーカルのグレッグ・レイクとドラムスのマイケル・ジャイルズにプレイを頼んだほか、何人かのゲスト・ミュージシャンを迎えてセカンド・アルバムを完成させました。

　そのうちの１曲が「ポセイドンのめざめ」で、マイケル・ジャイルズの特徴的なドタバタしたドラムスが印象的です。

　曲名はなにやら神話的ですが、「めざめ」は誤訳だそうで、実際は「ポセイドンの跡を追って」とか「ポセイドンに続いて」だそうです。どちらにしても、歌詞は難解すぎてよくわかりません。

　が、歌詞は作詞担当のピート・シンフィールドによるものであり、曲を書いたロバート・フリップの狙いは、『クリムゾン・キングの宮殿』に収録された「エピタフ（墓碑銘）」の世界観を踏襲することだったと推察されます。つまりこの曲は「エピタフ２」だったのではないでしょうか。

　「エピタフ」は詩も含めて評価が高い名曲ですが、マルチプレイヤーのイアン・マクドナルド主導で作られた曲であることは間違いありません。

　それに対する挑戦というわけでもないでしょうが、同じ世界観を持つ曲を、フリップは一人で作り上げました。

　両曲のフェイドアウトするエンディングを聴き比べてみれば、それは明らかです。非常に似通っているのです。

　ですが、私には「ポセイドンのめざめ」のエンディングの方が優れているように聴こえます。

　続いて「アイランズ」ですが、キング・クリムゾン史上最も美しい曲といえるでしょう。

　ボズ・バレルの甘いボーカルとキース・ティペットのピアノ演奏も素晴らしいのですが、アコースティックギターとメロトロンを弾くフリップがまた素晴らしい。エンディングの美しさは、例えようもないほどのレベルです。

　以前（第１１回）紹介した「フラクチャー」のような超絶プレイを得意とするフリップが、この２曲のような叙情的な曲を描くのは珍しいんです。

　ところがこの２曲、ライブで演奏されたことが一度もありませんでした。「アイランズ」の方は、３０年以上の時を経て楽団化したクリムゾンによって演奏されましたが、オリジナル・メンバーによって演奏されることもなく、また解散していましたから。

　ときどきこの２曲を、無性に聴きたくなることがあります。心が疲れているときなんか特に。

　皆さんも心が疲れてしまったとき、聴いてみてください。あっ、「ポセイドンのめざめ」の方は、本当に心が消耗しているときはやめた方がいいかな？

⚫ア～ダ～モ～ス～テ～、ペイッ！

　朝のワイドショーを観た人はわかると思いますが、コメディアンの島崎俊郎さんが６８歳で亡くなりました。

　実は昨日、「浅見光彦祭り」状態だったんです。午前１０時からＢＳ－ＴＢＳで『華の下にて』、正午からＢＳフジで『熊本・菊池伝説殺人事件』、午後１３：５５からスカパー！のＣＳ－ＴＢＳ１で『斎王の葬列』（だったかな？）、そして午後１１：５８から同じくＣＳ－ＴＢＳ２で『天河伝説殺人事件』の放送がありました。

　その最後の『天河伝説殺人事件』で、光彦を逮捕して留置場に入れた刑事課長役を演じていたのが、島崎俊郎さんだったんです。感慨深いものがありましたね。

　今では人種差別と捉えられかねないあの定番のギャグ、「アダモちゃん」は、『俺たちひょうきん族』という番組が初出でした。もうあの姿を見ることはできないのですね。

　ご冥福をお祈りいたします。

⚫カクヨムの採点方式

　カクヨムの採点方式、変わるのかなと思ったら変わらないんですね。フォローと★評価だけがポイントになって、ＰＶがいくら伸びてもポイントにならない。

　応援♡もポイント計算して欲しいですね。

⚫本日の猫

　『猫の集会所』の元気な子猫は、私が猫のトイレ掃除をしているときに、私と遊びたくて邪魔をするのですが、おばあちゃん猫のクロがカリカリを食べ出すと、私にちょっかいを出すのをやめて、自分も食べだします。

　水を飲むときと同じで、やはりほかの猫の真似をする習性のようです。