第23話 黒磯大捜査!対馬刑事殉職

 女性画家の奈美は女子大生だった10年前に、田舎町の黒磯で、女友達の睦月に騙され、妹と共に若者の不良グループにレイプされる。それによって妹は精神崩壊し、自らも傷ついていた奈美は復讐を誓う。そして現在、宇都宮において彼女は、コルト・ディテクティブスペシャルを使い、 犯人の一人である豊後の股間を撃って殺害する。その後、さらに残りの者も殺すため、黒磯へと向かう。


 一方、鈴木刑事は相変わらずその強引な捜査によって疎まれていた。更には逆恨みも含めて命を狙われるようになり、それによって鈴木の行く先々で事件が起こるとして、上司の宇都宮から休養を取るように厳命される。 鈴木はそれを断ったものの、結局、股間を撃たれて殺された男の事件捜査のために、彼の出身地である黒磯へ派遣という名目で、 宇都宮を離れることとなる。


 黒磯到着早々、強盗事件に出くわした鈴木は、街中でカーチェイスと銃撃戦を行い犯人を捕まえる。そのため、同地の警察署長、別所にさっそく疎まれる。間もなく、奈美の2人目の被害者である墓頭ぼずの死体が発見され手口から鈴木は連続殺人と断定するが、部屋はよそ者の鈴木を遠ざけようとする。そんな折、鈴木は同僚で親友の対馬から強引に贈られたブルドッグを散歩させている時に、事件の犯人とは知らず奈美と出会い面識を得る。その後、鈴木は被害者達が署長室の古い写真に写っていることに気づき、彼らが署長の息子、豪太の友人たちであることを知る。また、睦月も自分たちが狙われていることに気づき、仲間に警告を行う。


 鈴木は偶然、カフェで奈美と再会する。刑事だと気づいていた彼女は、鈴木の愚痴に対して正義が行われず、悪人が野放しの時代になったと彼に同調し、驚かせる。彼女に興味を持ち会話を楽しむ鈴木だったが、そのために鈴木は彼女に、まさに彼女が起こしている事件の捜査のために黒磯に来たことを話してしまう。


 署長室の写真を手がかりに星野の家を訪問する鈴木であったが、既に彼は奈美に殺された後だった。一方、睦月は友人のパンプキンと実家で奈美を待ち構え、返り討ちにする算段を立てていた。奈美がまさに彼らの家にやってきた時、鈴木もやってくる。鈴木は自分に襲い掛かってきた睦月とパンプキンを殴り返した上で、パンプキンを連行する。その隙を付いて奈美は一人になった睦月を襲い、復讐を果たす。パンプキンを警察署に預けた鈴木は、道の駅で奈美と再会し、そのまま彼女の家でベッドを共にする。 その帰途、鈴木は彼女の車が睦月家に停まっていた不審車であることに気づき、彼女が犯人であると疑う。そして、睦月家に急行し、睦月の死体を発見する。


 その頃、パンプキンは墓頭の悪友であるピクルスとプルートによって釈放され、鈴木と奈美への報復を企てていた。3人は鈴木のモーテルで彼を待ち構えていたが、その状況を知らない対馬が来てしまい、3人は対馬を殺害する。 その後、今度は墓頭の家に来ていた鈴木を襲撃して暴行し川へ突き落とすが、その際に鈴木は愛用のS&W M29を落としてしまい、川に捨てられてしまう。


 一方、奈美は豪太を殺害するため署長宅に侵入したが、彼は既に廃人となっていた。そこに別所が現れ、息子が罪の意識に苛まれて自殺未遂を起こしたことや、自分が息子を守ろうとしたことを懺悔し、パンプキンを法的に制裁することを誓う。ところが、そこにパンプキンが現れ、奈美のコルトを奪った上で、それで別所を殺害し、彼を遊園地へ連れ去る。


 遊園地へ来たパンプキンらは奈美を襲おうとするが彼女は激しく抵抗し、逃げ出す。逃走劇の後、パンプキンらは彼女を捕まえることに成功するが、そこに死んだと思われていた鈴木が現れ驚く。.44オートマグを手にした鈴木は、ピクルスとプルートを苦もなく射殺し、パンプキンは奈美を人質にとって逃走を図る。しかし、最期は鈴木に銃撃され、高台から転落して勇者像の剣に突き刺さって死ぬ。

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