第14話 秘密の相談
「さ、次はどこ行こっか。お姉ちゃん」
「そうだなぁ~、コスメ見たいかも」
「あの~、俺の存在忘れてる?」
古着屋から出た後、姉妹仲良く歩く2人に俺は声をかける。
これ、俺と恋のデートのはずだったのに、いつも間にかただの姉妹のお買い物になっている。
俺の声を聞いた恋は、ハッと振り返り、
「ごめん! つい愛と居るのが楽しくて」
肩をすくめて謝る。
さっきまで俺の服をあんなにも真剣に悩んでいたのに、妹と一緒にいるだけで俺の存在を忘れるのか?
いやまぁ姉妹仲がいいのはいいことだ。2人の後ろ姿を見ているだけでこちらまでほっこりしてくるし。
けど、恋はただ仲がいいと思っているであろうが、愛ちゃんはそうじゃない。
妹の彼氏である俺を襲おうとしたし、何か裏があるだろう。
けど、2人が仲がいいことは事実。そこに俺という2人の仲をぐちゃぐちゃにするかもしれない爆弾がいるのが原因だ。
あれ? これ俺が悪いのか?
いやいや、俺は恋一筋であって愛ちゃんに変な情など抱いていないから大丈夫だ。
一度過ちを犯しているが反省しているし。
「凛久くん、次どこか行きたいとこある?」
と、俺に聞いてくる愛ちゃんに俺は、
「え、まだついてくるん?」
当然の疑問をぶつける。
今日は、俺と恋のデートで、決して姉妹デートではない。
そして、姉妹プラス俺でどこかに行く会でもない。
「え、ダメだった?」
「ダメというか、今日は恋とのデートだし」
「私が居て何か問題なの?」
「デートくらい2人でしたいだろ普通」
「あ、もしかしてデート終わりにホテルとか行こうとしてるんでしょ」
クスクスと笑う愛ちゃん。
それに関しては図星だ。当然、デート終わりにホテルに行って2時間ほどハッスルしてくる。
しかし、それとこれとは別で、デートは2人でしたいのが一般人の考え。
そのデートについてくるなんて邪魔者でしかない。
「ちょっと~! 変なことは凛久くんに言っちゃダメって家でも言ったでしょ~!」
プクリと恋は頬を膨らませ、愛ちゃんに詰め寄る。
「ごめんって~。でも家で凛久くんのことに相談されてる身にもなってほし――」
「愛~! それ以上は口に出さない方がいいよ~? お姉ちゃん怒っちゃうから~!」
強引に愛ちゃんの口を押さえながら言う恋。
恋が愛ちゃんに惚気を言っているのは知っているが、何か相談していたのか?
裏で何言われてるか怖すぎる。性欲強すぎるとか言われてたら申し訳ないし、何か俺に非があるような相談内容なら謝りたい。
それとも、愛ちゃんの口を塞ぎたくなるくらい俺言いたくない内容なのか?
うわ、急に不安になってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます