石田三成は、秀頼のもとで重要な会議を主宰していた。彼の態度はいつも通り断固としており、その声は力強いものだった。しかし、突如として彼の顔色が変わり、身体がふらつき始める。

「三成様！」と秀頼が叫ぶ。会議室は一瞬にして騒然となり、側近たちが駆け寄る。三成は何とか立っているが、明らかに苦しそうだ。

如庵と斗升は、大広間の外でこの様子を見ていた。斗升が如庵に向かって低く囁く。「これは自然な病か？それとも…」

如庵は眉をひそめ、心配そうに三成を見つめる。「毒かもしれない。家康の仕業か？」

三成は側近たちの支えを借りながら部屋を後にする。秀頼は深い不安を隠せずにいた。彼の側近として最も信頼していた三成が倒れることは、幕府にとって大きな打撃だ。

如庵と斗升は、急いで三成のもとに向かう。彼の部屋に到着すると、三成はベッドに横たわり、額には冷や汗が浮かんでいた。斗升が三成の脈を取ると、その脈は不規則で弱々しかった。

「これは普通の病気ではない」と斗升が言う。如庵も同意し、「家康にとって、三成が倒れることは都合がいい。彼の野望を考えれば、毒を盛ることもあり得る」と付け加えた。

三成は意識が朦朧としていたが、如庵たちの姿を認識し、「秀頼様を…」と言葉を発する。しかし、その言葉も途中で途切れ、彼は再び意識を失った。

如庵は深い憂慮の表情を浮かべながら斗升に言った。「私たちの疑念が正しければ、これは単なる病ではない。家康の陰謀だ。私たちが今後どう動くか、慎重に計画を練らなければならない。」

斗升は頷き、二人は三成の部屋を静かに後にした。彦根城内の空気は一変し、不穏な影が忍び寄り始めていた。如庵と斗升は、今後の動きを見極めながら、家康の次の一手に備えることにした。

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