第4話 裏切りの夜明け

夜が明け、靄が漂う関ヶ原の地は、静かにその時を迎えていた。石田三成は、滝如庵から得た情報を基に、自らの陣を組んでいた。小早川秀秋の裏切りは、すでに彼の頭の中で計算されていた。しかし、それが実際に起こるとき、彼の心はそれでも少しの動揺を覚えた。


朝日が昇り、東軍と西軍の間に緊張が走る中、小早川秀秋は決断の時を迎えていた。彼は三成に対し、戦闘の合図と共に攻撃を開始すると伝えていたが、内心では葛藤していた。そして、戦の火蓋が切って落とされると同時に、秀秋の軍は予期せぬ動きを見せる。


「これが運命か…」秀秋は心の中でつぶやきながら、東軍へと軍を向けた。その瞬間、三成の陣営には緊張が走ったが、彼は落ち着いていた。この裏切りは、彼にとって予測されたものだったからだ。


三成は冷静に命令を下す。「秀秋の動きは計算済みだ。すでに対策を施している。全軍、計画通りに動け!」彼の声は力強く、自信に満ちていた。滝如庵からの情報が正しかったことに、内心では驚きながらも、彼は歴史の流れを変えるための戦いを指揮していた。


戦場は混沌としていたが、三成の陣営は秩序だった動きを見せていた。秀秋の裏切りを前提とした陣形が、予想通りの成果を上げ始めていたのだ。西軍の兵たちは、三成の冷静な指揮に心を強くし、戦意を高めていった。


「今、関ヶ原の地に新たな歴史が刻まれる。」三成はそう確信していた。彼の目の前には、違う未来が広がりつつあった。

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