おっさん、男の娘になる

野口マッハ剛(ごう)

第1話 魔が差した……?

 田島アキラはおっさん顔である。フリーターでいまいちパッとしない印象である。今日も飲食店のアルバイトを終えて帰ろうとする田島アキラ。


 松崎シオリにお疲れ様ですと言おうとした時に彼女はスマホでマンガを読んでいる。覗き見る田島アキラ。どうやら男の娘のマンガのようだ。


「松崎さん、お疲れ様です」


「うん、お疲れ」


 田島アキラは帰りのコンビニに寄る。メイクコーナーの前で立って眺めている田島アキラ。


 ちょっと、女装でもしてみようかな?


 繰り返し言うが、田島アキラはおっさん顔である。マスクとメイク道具一式を買った田島アキラ。店員が不審者を見るような感じだった。


 田島アキラ、帰宅。ゆーちゅーぶでメイクの練習を始める田島アキラ。どうやら田島アキラはメイクの上達が速い。


 マスクをして、押し入れから仮装パーティーの時のロングヘアのカツラを引っ張り出して装着した田島アキラ。


 男の娘の誕生である。目はぱっちり、さっきまでのおっさんはどこにも居ない。田島アキラは上下ジャージに着替えて外出する。


 街を歩く田島アキラ。今は夜である。


 そこに、女上司の松崎シオリが向こうから歩いてくる。ドキドキする田島アキラ。すれ違いざまに、ん? そう聞こえる田島アキラ。


「ちょっと待って? 田島くん?」


 おっさん、男の娘になったは良いが、速攻で女上司にバレる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る