スケールのデカい 香坂 凪沙(コウサカ ナギサ)は、入学初日に運命的な出会いを果たし、最高の青春の1ページを刻み始めた
あらフォウかもんべいべ@IRIAM配信者
JCナギの進路~高校入学前夜まで
【再掲】第1話 幸運なギフト
◇
これはちょっとした青春のお話。
あたし、香坂 凪沙(コウサカ ナギサ)が、リトルビッチ(メスガキ)だった頃の思い出だ。
全ての始まりは中学時代、あれは中二の頃だったかな?
成長期、思春期真っ只中のあたしは、色々と複雑な事情があってさ、学校生活がうまくいってなかったんだ。
例えばそうだな、あたしの愛する家族から授かったギフトなんだけど、風邪なんて引いたことすらない頑丈な身体を貰えた事には感謝している。
だけどさ、中二の時点で既に……身長が180cmを越えていてさ、クラスどころか全校生徒の中に高層ビルが建っているようなものだぜ?
あたしはエンパイア・ステート・ビルかって? HAHAHA!
おまけになにが詰まっているのか、胸がいっぱいに膨らんでいくもんだからさ、ゴツい体格もあってか……アメリカンナイズなかわいくないブラジャーを着けるのが恥ずかしくて、仕舞いにはさらしを巻いていたのさ。
いくら成長期と言えども……成長し過ぎじゃないか?
おかげで目立ちすぎて恥ずかしいったらありゃしないけどさ、そのうちあたしは開き直った。
あたしの家族、みんなデカイからきっと同じ悩みを抱えていたんだろうな。
本当、愛する家族のみんなが温かい、それだけが救いだったよ。
だがよ、そんな発育の良いあたしの事情なんてお構い無しに、心ない言葉を浴びせられたり、セクハラまがいなことをされるのは許せないものでさ、何かされようものなら当然、口と手が大暴れしてトラブルメーカー扱いだぜ?
荒事なら同級生、例え先輩や大人だろうが相手にすらならねえよ。
そんなトラブル続きのあたしは正当防衛を主張するけど、ま、いつも割りを食う羽目になるんだ……。
おいおい、それってあたしがステイツ出身だからか?
まだ日本語が人並み以下で、ちゃんと敬語が出来ねえから?
伝えるのが下手だから?……F**k.
おかげで誤解されたまま、解くのも面倒なもので、学校生活はうまくいってなかった。
仕舞いにはさ、グレてヤンチャしてしまうあたしの気持ちも少しぐらいはわかって欲しいね?
おかげで乗り物の運転が上手くなったのは、ここだけの話にしてくれよな? HAHAHA!
そんなあたしに転機が訪れたのは、最初に言った通りで中二の頃だ。
それまであまり真面目に勉強していない、あまり得意ではなかったけれど、日本語だけはなんとか必死に覚えて、日常会話なら全く問題ないレベルまで上達した一方、幼い頃から慣れ親しんだ英語すらも授業となると退屈だった。
ステイツと英語のやり方が違うっていうのは、頭では理解しているつもりだったけど、ある意味であまりに馴染みのないものを聞かされているものだから、そのうち笑いを堪えることすら、もう限界だったよね?
色々と我慢の限界を迎えようとしていた時、あたしにとってこのクソッタレだった学校生活が、海の向こうからやって来た最高の男のおかげで楽しくなるものだからね。
人生早々に諦めちゃいけない、いずれは転機が訪れるかもしれないからさ?
あたしの恩人であり、あたしの恩師である、ジェフリー・サマーフィールド。
彼との出会いが、あたしの運命を決めたと言ってもいい。
彼とは学校の中で誰よりも話が合うものだから、当然のように仲良くなったのは言うまでもなく、少しずつ学校に対する嫌悪感も和らいでいったんだ。
ああ、楽しくなってきたけれど、平等に時は前進していくもので、そのうち進路に悩む時期となれば、彼が真摯になってあたしに助力してくれたんだ。
普通に考えたらさ、進路担当に相談しろって話だけど……あいにくあたしの評判は最悪だ。
そんなあたしをさ、ジェフが率先して橋渡しをしてくれたから、心から感謝している。
更に時は前進、あっという間に中三になったあたしの進路は、実質ジェフが手を尽くしてくれたことにより、推薦入試という運びとなった。
いや、あんたはただの英語の講師だろ?
どうしてこうなったのか、この時のあたしにとっては謎だったぜ? HAHAHA!───。
◇
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます