第20話 making of…

このエッセイを書くのは3月ぶりだから、あれから5ヶ月くらい日が経ってしまっている。おかげさまで、3月末に上司と管理職が職場を去ってから、私は比較的落ち着いた毎日を過ごしている。上司や管理職の過干渉に怯えることもなく、実習も体力的に比較的楽なものを担当することになって、精神的な負担が昨年よりかなり減った。ちなみに、担当しているのは手仕上げ実習と自動車実習とパソコン実習である。手仕上げは、鉄板を設計図通りの形になるようにやすりで削ったりボール盤で穴を開けたりねじ切りをしたりするもので、旋盤に比べたら怪我や事故の確率は低いので、事故のプレッシャーなども少なく精神をすり減らすこともない。

初めは、鉄板を切断するためのシャーリングの使い方が分からず戸惑ったが少しずつ覚えていって、今ではシャーリングが使えるようになった。しかし、ドジな私はそんな負担が軽い実習でも大ミスをしでかしてしまう。というのは…。

ねじ切りした鉄板にはめる部品の丸棒の選定を間違えてしまったのだ。いや、これは本当に私の怠惰のせいなので私に100%非があるのだが、担当の先生に、実習で使う丸棒(この時丸棒は2メートルくらいあった)を使いやすく切っておいてほしいと頼まれたので、丸棒がたくさんあるところで選定したのだが、私はこの時物品や計測器を保管してある倉庫を開けるのが面倒で、ノギスを使わず手持ちのスケールで直径を測り、それらしきものを120等分してしまったのだ!後にその寸法が間違っていたことが発覚し、私は旋盤でその丸棒を削る羽目になった。

20本は担当の先生が削ってくれたので私が実際に削ったのは100本。何日かに分けてこつこつと削ったが、エアコンの無い旋盤室は非常に暑く、また暑い時期に長袖作業着はかなり身に堪えた。それでも、私しかできる人はいなかったのと、自戒の意味を込めて私は逃げずに向き合った。その結果、授業で丸棒を使うよりかなり早い時期に丸棒を100本削り終わることができた。達成感は大きかったが、同時にもう2度と棒はスケールを使って測らない、と教訓ができた私であった。

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