どん底実習助手
結井 凜香
第1話 落ちた理由
私は工業高校の機械科で実習助手をしている。多分、実習助手なんて聞いたことない職業だろうから、一言で説明すると「実習授業や製図の授業のみ、担当の先生について手伝う先生」って職業。手伝いだから一見楽そう?いいやそんなことはない。
本来であれば、助手たるもの担任業務やら座学やら部活動やらでヘトヘトな先生のお手伝いとして、機械のメンテから実習で遅れを取る生徒をフォローするために深く専門教養がなければ勤まらない。
しかし、今の私にはそんな仕事はできなかった。まず、専門教養を勉強するための本が開けない。開いたところで頭に入らない。え、お前が馬鹿だからって?
確かに私は頭は良くないから、その説は合っているけど…。実はそれよりももっと重大な問題が私にはあった。それは、異常なほどの倦怠感、眠気。決して夜ふかしをしたからとかじゃない。睡眠はちゃんと取るようにしている。じゃあなぜかって?
うつ病だから。
うつ病。多分教員の職業病の代名詞かもしれない病だ。
では、なぜ私はうつ病になったか、まずはそれを語ろうと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます