給食の時間

  わいわい がやがや


「ねぇ、おんなたちなにしているの?」


 となりのクラスからやってた、ときじょたちさわいでいるゆうを、きゅうしょくとうばんをしているたい耀ようにそうたずねると、たい耀ようあきれたようときう。


なんだんまえで、ココアげパンべるのがずかしいってはなっちゃってさ」

「まぁたしかに、かぶりくとくちまわりヒドくなるからな」


 ちかくではないていたやすがそうつづけると、たい耀ようとなりできゅうしょくとうばんをしているようが、さらつづける。


たしかに千切ちぎっておうにも、それやるとがココアだらけだしなぁ」

「ほらみんなじゅんたからもいにてよ。そんなことつづけてるとわたなべせんせいおこられるよ?」


 さらきゅうしょくとうばんほくが、クラスおんなたちにそううながすと、あおいクラスだんたちかってう。


「ねえみんないて!」


 そのこときゅうしょくとうばんじょふくめた、クラスだんせんあおいく。


今日きょうべるせきだんじょけない? せきにんわたしたちるから」


 あおいがそうていあんすると、かおるあおいしつもんをする。


「それはかまいませんが、それではんつくるとにんずうのバランスわるりませんか?」

「それじゃ、きにグループつくってべましょう」


  ざわざわ ざわざわ


 あおいのこのことに、どもたちはざわめく。

 もちろん、あかるいうちべつゆうで……


おもしろそうね、わたしクラスていあんしてみようかしら?」


 たい耀ようたちにそうって、ときぶんクラスかえってった。



 ★★★★



 ひるやすみのけんしつ


「それでふたともどもたちけてしまったわけですか?」


 じょうせんせいがそううと、わたなべせんせいねんいちくみたんにんはらせんせいかたとしながらうなずいた。


「だからわたしたすけをもとめにたと?」

「「はい」」


 わたなべせんせいはらせんせいがほぼどうに、そうへんかえしたのでじょうせんせいあきれたようたりう。


わたしぶんごとるんですけど?」

たいへんもうわけありません……」


 わたなべせんせいがそうってあたまげると、はらせんせいあたまげてあやまる。


もうわけありません……」


 しょくいんしつはなしていないのは、わたなべせんせいはらせんせいが、ほかせんせいはなしをかれることいやがったため


「まぁおとこせんせいに、こうがくねんおんなあつかいはたいへんなのはかりますけど」


 じょうせんせいがそううと、はらせんせいことかえす。


かいがとうございます、じょうせんせい。だいたいくみおんなたちが、ずかしいなんことはじめなければ……」

はらせんせいいまことじょせいとして、てなりませんよ」


 すこおこ調ちょうじょうせんせいに、はらせんせいぶんしつげんあやまる。


いまことわすれてください。しょうがくせいとはじょせいせいまえずかしいとおもことりますね」

「……まったく、どもたちまえでそんなことわないでくださいね。それでわたしは、たりなにじょげんすればいんですか?」


 わたなべせんせいはらせんせいに、すここまったかおじょうせんせいがそうたずねると、はらせんせいかえす。


いてえば、さいはつぼうでしょうか? ココアげパンをきんにはませんし……」

こんかいみたいなことを、まいゆるしてしまうわけにもきません。あまあまいと、せいたちわたしたちことかなくなってしまう」


 わたなべせんせいもそうつづけ、じょうせんせいすこかんがえてからたりこたえる。


「でしたらどもたちに、なにかんがえたらぶんたちそうだんするようったら如何どうです?  ココアげパンにいては、きゅうしょくひんはそんなにおおくありませんし、どもたちはなかいにもなるでしょう?」


 じょうせんせいていあんに、はらせんせいうなずいてう。


「それしかりませんか」

ただこんかいけんは、とくべつだとおんなたちにはねんしてくださいね」


 はらせんせいじょうせんせいがそうねんすと、わたなべせんせいいきき、ことこぼす。


「これからやってくしんいなぁ」


 そんなわたなべせんせいに、じょうせんせいがおう。


こんかいことどもたちも、はなせばかいしてくれるとおもったからのこうどうだとおもいますよ。きらわれていたら、こわがってこんなこうどうりませんから」

「そうですよわたなべせんせいふしときい、しんにんでこれだけまわれればたいしたものです」


 はらせんせいがおでそうつづけ、すこいてじょうせんせいたりく。


「それじゃあ、そうだんったかえりをおねがいします」

しょくでもおごりましょうか? まえしょくどうになりますが?」


 そうったはらせんせいに、すこかんがえてじょうせんせいがおへんかえす。


「いいえ。たりにはきんようの、しんたいそくていじゅんつだってもらいます。おとこおとこで、ずかしがるがいるんですよね。ちからごとるし、だれたのもうかこまってたんですよ」



 ★★★★



「にしても…… だんたちが、せんせいせっとくきょうりょくしくれたのはがいだったわ」


 おなじくひるやすみ、ねんくみきょうしつ

 あおいがそううと、ずかしそうにかえす。


「ゴメンなさい、わたしへんことたのんじゃったせいで」

「まぁわたしことがほったんだし、にしなくていわよ」

流石さすがずかしいから、せきわってなんておねがいされたら、せきにんかんじちゃうしね)


 あおいがそんなことかんがえていると、ひとおんなきょうしつにやってる。


「すみません。ねんせいたつ ろうくんてませんか?」


 そうったしょうじょふだには、もり まえ


ねんいちくみってことは、ろうくんともだちよね。ゴメン、このきょうしつにはてないわ」


 にそうこたえると、あおいそうにく。


いの?」

「ほら、てんこうしておとこるじゃない。わたしようくんたち、あのなかいの。そのともだちだとおもう」


 そうせつめいけたあおいは、あぁ!とようう。


「あぁ、ふしさんのインパクトがつよぎてわすれてた!」


 あおいがそうわるのをって、しつもんをする。


「……えっと、おねえちゃんろうくんなかいなら、どこったからない?」

「グラウンドやたいいくかんは?」


 そうかえに、くびよこった。


「それじゃこうちょうしつかしら?」


 そうつづけたに、あおいそうにく。

 

なんで?」


 そうなかおをしていたので、たりかってせつめいする。


しんせきらしいの。とくれいだっていたけど」

「へぇぇ」


 はなしで、あおいがそうってなっとくしたいっぽううつむいてかんがえる。


(……ぶんひるやすちゅうあやまるってめたんだし)


 そして富女とめけっし、かおう。


「ありがとうおねえちゃんたちわたしこうちょうしつってみる」


 そうってきょうしつからろうとするを、あおいく。


「ちょっとって。もしかったらなにろうくんってさがしにたのかおしえてくれない? もしかしたら、きょうりょくるかもれないし」

あおいちゃん、どうしたのり?」


 おもあおいにそうに、あおいみみもとごえせつめいをする。


「ふつううえがくねんにまで、おとこさがしにないでしょ? になるじゃない」

「たしかにわたしことってるってことは、ろうくんとはなかいんだろうな、とはおもったけど……」


 そうごえかえしたに、姿すがたかくしてようていたスセリが、ねんたのしそうにう。


(「わたしになるわってあげましょ」)

(「なによ、スセリまで……」)



 ★★★★



 たちが、きょうしつちょくこうちょうしつ


「……フフフ、フハハハハハ!」


 とつじょわらしたつぐに、こうちょうしつでソファーにすわってろうおどろく。


(「おい、如何どうした! そとれんちゅうあやしまれるぞ?」)


 ろうがそうつぐねんはなけると、つぐつうかえす。


けっかいってる、それにいてはもんだいい。それよりスセリさまからのれんらくだ、此方こちらしょうじょれてるそうだ。このようていたらくでは、因幡いなばくにあにうえわらえんな」

「そううとことは、なにこったかっているとことか……」


 そうってろう項垂うなだれる。

 ろうきゅうしょくかんまえまえでからかっていたおとこから、またからかわれていたたすけた……


 そう……たすけたのだが、そのろうぱたかれたうえ、はんきのじょうたいきょうしつからってしまった。

 そのゆうを、ろうはあるていかいはしている……

 とうか、まわりのおんなおしえられた。


 はパンをべたおりにくちまわりにココアがいてしまい、それをからかわれていた。

 ろうせきからはかおえず、からかっていたおとこせきからもとおかったことから、ろうおとこかるぱたきにったあとなぐさめるためうつむいているせきかった。

 ろうのこのこうどうゆうは、ぶんなついていることるが、まえおんながからかわれていることに、すこはらてていたため


 しかし、このこうどううらた。

 せいかくには、せきかったのがもんだいだった。

 ろうほうからしたら、うつむいたおんなしんぱいしてちかいているのだが、ほうからしたらくちにココアがいたままの……

 せいかくにはココアがくちてるかもれないぶんに、になるおとこちかいてくるのだから、ずかしくてたまったモノではない。


 くちをハンカチでぬぐってはいたが、かがみないかぎりキチンとちているかのかくにんないので、ずかしいちをふっしょくなかった。

 そんなしきちがいがんだのが、からろうへのほほへのひらち。


 しばらくして、ったせんせいもどされ、ひとひるやすかんちゅうのこりのきゅうしょくベるに。

 ろうほうはとうと、つくえはこわったあとからいちてき姿すがたかくためゆうけてこうちょうしつかくれてたのだ。


出雲いずもしんかくれるあいが、ここのつのめのわらわとはな」


 つぐにそうわれ、ろうはムッとしたかおう。


だまれ、これはじっさいどもならこうするだろうとかんがえてのこと! それにかんがえるかんしかったのだ、つまおなまえどもきらわれたくわない」

さまちをさっし、そうことにしてやろう」


 鹿にしたようでそうつぐに、ろうすこしムキになってかえす。


「だからちがうと……」


  コン コン コン


 ノックのおとで、ろうことめる。


ねんくみくろさわ です。しもむらこうちょうせんせい此方こちらたつ ろうくんませんでしょうか?」


 そうったこえで、ドアのこうにどもたちていることかいしたつぐは、けっかいいてわらいをこらへんかえす。


るが、ろうなにようかね?」


 するとすこおおきなこえう。


「あのぅ、わたしねんいちくみもり います。ろうくんあやまりたくてさがしてたんですけど……」

「だそうだろうきらわれてるわけではなくてかったな」


 そうつぐにらんだあとろうかしそうにこうちょうしつのドアをけ、たちまえ姿すがたあらわす。


  ガシャ キゥー


「……ろうくんゴメンなさい、たたいたりして」


 が、こうちょうしつからろうにそうってあたまげると、ろうずかしそうにう。


「オイラもゴメン。おんなたちからゆういてたけど、オイラのこときらいなわけじゃないんだよね?」

ろうくんかっこういし、そんなことないよ」


 かおげたがそううと、ろうがおへんをする。


かった。オイラちゃんにはきらわれたくないから、しんなくてかくれてたんだ。ゴメン」


 そうわれたは、かおあからめくびよこった。

 そんなたりはたからていたあおいは、ごえう。


「あのたちほんとうねんせいよね? あんなマンガみたいな台詞せりふはじめていた」


 するとごえかえす。


わたしはじめていた。ちゃんもよくほんにんまえにして、かっこういなんてえるとおもう」

すこならったらどう? たぶんようじゃ、ハッキリわないとダメよ」


 からかうようごえでそうったにあおいに、すこしムッとしておもう。


たらとっくにやってるわよ……)


 いっぽう姿すがたかくしてそのようていたスセリは、小太郎こたろうようてクスクスわらったあとつぐねんはなける。


(「てんまることおもいたのだけど、いてくれる?」)

(「如何どうかくいるのでしょうスセリさま? どもれんぬするとはしゅわるい」)


 つぐにそうねんわれたスセリは、すこかんがえてねんかえす。


(「それはいや?」)

(「どちらにとってもかまいません。それよりこととはなんです?」)

(「ちょういぶす、ほうほうおもいたの。フフフ……ねぇ、このがっこうにココアっていてない?」)



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