わたしとあなた
タムラ ユウイチロウ
私と貴女
どうしてだろう
どうしてだろう
愛することができない
大切にすることができない
ただ生きることを求めるその顔が
愛するために買い集めた色とりどりの玩具が
それを照らす無色の電灯が
鼓動を息を、無数のものに換えて
耳鳴りは、耳鳴りは
頭の地鳴りに替わって
だれだろう
だれだろう
あなたを困らせるのは
わたしを殺そうとするのは
帰ってこない誰かを待っている
帰ってこなかった誰かを待っている
だから、
わたしとあなたの
ピタリと時間が止まって
秒針だけうごいて
振り上げかけていた拳を自分の頬に打つける
愛されてこなかった事実
愛することができない事実
共鳴する命の
あなたの
無垢な瞳が天井の電灯を、光を反射して
するどく
あたたかく
つらぬいた
わたしとあなた タムラ ユウイチロウ @you_monodiary
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます