52
のぞみは事務所にあるレッスン場で壁一面の鏡を見ながら踊りの練習をした。
汗をいっぱいにかいて。
朝からずっと、夕方になるまで練習していた。
練習用のトレーナーに黒のスパッツという格好ののぞみはくたくたになりながら考える。
私の描きたい絵の理想ってなんだろうって。
その日、自転車に乗って森の中にあるしずくの家にやってきたのぞみはいつもよりも多い荷物を持っていた。
それは大きめの白いバックでこの中にはのぞみの練習着やタオル着替えなどが入っている。
のぞみはどうしても自分の踊りをしずくに見てもらいたかった。見てもらって感想を聞きたかった。でもしずくはアイドルに興味がないので、そのことを言い出すことがなかなかできなかったのだけど、勇気を出して言ってみると以外にも「いいよ」としずくは言ってくれた。
のぞみはいつも以上の笑顔で立ち漕ぎをしながら森の中の道を走っている。
風がすごく気持ちよかった。
しずくの家につくといつものようにしずくは家の前にいて、そこにある切り株の椅子に座って今日は森の風景をじっと眺めていた。
なにを見ているんだろう? と思ってのぞみが視線の先を見るとそのにはりすがいた。
二匹のこりす。
たぶん兄妹のりすだろうとのぞみは思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます