空からまじょ

小手毬

第1話

「やっぱりムリじゃない?」

「そんなこと言ってバアーバにどう説明するつもり」

「そ、それは…」

「使えそうにないよね」

「でも、バアーバから言われたのはこの人で間違いないでしょう」

「そうなんだけど、どんくさそうじゃない?」

「確かに!」

「連れて行って使えなかったら、私たちが叱られるのよ」

後ろから聞こえる声はどうやら自分のことを話しているようだ。

しかし、不愉快極まり無い。

さっきからどんくさいや、つかえなさそうだと言いたい放題言ってくれる。

誰だろ。後ろを振り返って確かめてもいいのだが、もし変な人たちだと、後が恐くて振り返ることすら出来ない、そんなことをもんもんと考えながら帰路を急いだ。

後少しで自宅に辿り着く所まで来た時後ろから衝撃がきた。


『えい!』

ドン

突然なにかが、ぶつかってきた。

前のみりで倒れ込んだ。 

『もう、何やっているの?』

ぶつかってきた人物ではなく別の人物の声が聞こえる。

おそろおそろ振り返ると3人の少女が宙に浮いている。


てどういう事だろ。グルグル頭を回転させて考えるが理解が追いつかない。

その上、黄色の服を着てる少女は光って点滅までしている。赤色と青色の服を着ている少女達は点滅まではしていないがこちらも光っている。

まるで信号機のようだと思った。

『信号機?』

黄色い服を着た少女が首をかしげる。

どきりとした。私の考えていることが分かる?

気をつけないと。そっと視線を黄色服の少女をみる。それに気づいた黄色服の少女は私を見た!

怖くなって後ずさりをした。

『あぁ、驚かなくても大丈夫だよ。』

黄色服を着た少女が言ってきたが、不安は隠しきれない。

この怪しい三人からどうやってにげ出そうと考えていたが、さそれさえも読まれる可能性がある。

『だから大丈夫だよー』

更にいってくる黄色服の少女の横には青色の服と赤色の服の少女たちが疑り顔で見てる。

心臓がバクバクが鳴っている。

落ち着け私!


そんな私をよそに楽しそうに覗きこむ赤色の服を着た少女。

心臓は更にバクバクなっている。


『レッド!怖がっているじゃない』

黄色服の少女が怒っている。

『イエローズ、怖がらせていないわ』

レッドと呼ばれた少女が反論している。

どうやら、赤色の服の少女はレッドと黄色服の少女はイエローズと言うらしい。

と言うことは青色の服を着ている少女はブルーかな?そんなことを考えていたら、青色服の少女と目が合った。

『ブルーノっていいます』

いきなり自己紹介された。

『柏木香奈と言います』

思わず自ら名乗っていた。

『香奈ねー。よろしくね』

赤色の服の少女横から話しかけてきた。

私にどんな用があるのだろうか?

『香奈には私たちの国に来ていただきたいのです』

ブルーノが、説明してくれた。やっぱり私の考えているのを読まれているみたいだ。

『あなたたちの国って何処ですか!?』

簡単に言ってくれるがこちらも準備が必要だ。仕事はどうしようとか、家は…

カギを掛けておけば大丈夫かな?

頭をフル回転して出国に必要な準備を進める。

『すぐ行って、帰って来れば問題無いと思います』

ブルーノが捕捉してくれた。

そんなに簡単に行って帰って来れるところなんだ。近所かなと思ったら少し安心した。

「よろしくお願いします」

香奈はブルーノに頭を下げた。

「こちらこそよろしくお願いします」

「じゃ、今から行く?」

イエローズが、先を急ぐ

「今から?」

レッドは驚いて声を上げる。

「善は急げって言うじゃない」

イエローズは更に急がせる。

その声に渋々動き出すブルーノとイエローズ2人と目が合う。仕方なく自分も重い腰を上げる。


「それじゃ行きましょう」

両脇をレッドとイエローズに捕まえられたと思ったら足元が宙に浮いた。次の瞬間、いろいろこ景色が見えたと思ったら足元が地面に着いた。周囲を見わたすと古い建物の中なのが分かる。

そしてバランスを崩して倒れる。

気がつくとレッドとイエローズも一緒に倒れた。

「何やっているんだい?」

床に倒れたまま、声のする方を見ると赤紫色の服を着た女性がこれまた宙に浮いていた。

「婆さま」

ブルーノが叫んだとわかったとたん、レッドとイエローズが床に座って頭を下げる。

どうやらこの三人の上司みたいだ。私はどうすればいいか迷っていると婆さまと呼ばれた女性が近づいてきた。

「どうせあんた達のことだからしっかり説明していないだろ?」

「婆さま説明はこれからするつもりで」

ブルーノが必死に弁明している。

レッドとイエローズに至っては顔を背けている。婆さまの反応を見ると案の定やっぱりと言いたそうな表情をしている。

「仕方ない、私から説明しようかね」


婆さまの話しは長く続いた。

この国はグランバトルっと言って魔法使いがいる国だそうだ。

その魔法使いは最近力が使えない者が増えた為、力を持っている人物を他所から連れてきて来るらしい。私はその魔法使いにする為に連れてこられたようだ。

「戦争が起るかも、しれないんじゃ」

「?」

戦争って武器とか持って闘うあの戦争のことだよね。急に怖くなってきた。


「武器を持って闘うのは戦士たちの仕事だ。魔法使いは後方支援ってう言ったところで余り危なくないんじゃ。心配しなくていい。どれどれ」

婆さまが私の頭に手をかざした。

「炎を扱えるようだな」

その言葉に反応した信号機の三人は一斉に私を見た。

レッドが飛びかかって来た、イエローズとブルーノが止めに入る。

香奈は何が起こったのかわからなかった。

「私の仕事を取らないでね!」

急に言われて訳がわからない。

「レッド!お前の仕事を取るわけじゃない」

婆さまに言われてレッドは大人しくなったが、まだ、納得していない様子がみて取れる。

















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