平行世界のパラファイター

よっちゃん

プロローグ 気がつくと巻き込まれていた

 目が覚めると、俺は知らないベッドの上にいた。

 …なんて、ベタな展開から異世界に転生したり、クラス丸ごと魔法陣に包まれ異世界に召喚されたり〜なんて、何度も何度もアニメや漫画やネット小説で観た展開に、実際俺が遭遇したら…俺は平常心を保っていられるのだろうか。

 適応力が高くないとあぁいうのはやっぱり適応出来ないのだろうか?はたまた、やっぱりそういう系の主人公はメンタル面でも特殊な訓練か何かを受けているのか?なんて考えながら、俺は自転車を漕ぎ最寄り駅に向かう。


 中学二年で所謂【厨二病】を発症、中三になる頃には受験だとか総体だとかから逃げるように特撮や漫画、アニメにハマっていった。

 そうこうするうちに本気で成績がやばくなり、冬に本気出してなんとか受験には合格。あ、いや、まぁ第二志望の高校だったんだけど。

 自分の校区からは最寄り駅から4駅も離れた場所のためか人気が無い。そのため、同じ中学出身の生徒も居ることには居るのだが、数も少なく、また面識のない人達ばっか。


 そんなこんなで、入学式を終えた翌日の朝、俺は若干遅刻気味になりながら高校を目指す。


 今日のメインは部活動紹介だとか教科担任の紹介、授業の流れ等の説明事だった。本来、そういうのは入学式終わってからやる事じゃないのかとは思っていたが、入学式の日はクラス分けと簡単な自己紹介、それで下校となった。


「ほんと、なんか意味のわからん学校だわな。普通入学式の日にするっつーの。」

「確かに、ちょっと変わってるところあるよね。」

「全くだ。」


 と、席の近い2人と話していた。それぞれ違う中学出身な事から、互いの中学や校区の違いについて話をしあって、なんか趣味というかウマがあったというかで話すようになった。


 諸々の説明も終わり、下校時間になる。

 明日から本格的に授業が開始されるため、少し憂鬱な気分になりながら、3人で駅に向かう。

 漫画やゲームが主軸の談笑をしながら、駅に向かっていた時にそれは起こった。


「…あれ、あの2人どこいった?」


 つい数秒…いや、ほんとについさっきまで喋っていた2人とはぐれた…。

 いや違う。前や後ろにいた他の生徒もいない。下校当番の教師もいない。

 というか、昼間に下校してるはずなのに空は夕焼け模様。しかし、携帯の時計は昼過ぎを指している。


「なんだ…?一瞬で人気がなくなる事ってあるのか…?」


 とりあえず状況をまとめようと足を止めたその時の事だった―――――。


 どう見ても漫画やアニメで見た怪物。ドラゴンみたいなやつ。


 そして"それ"を率いてるような感じの人影。。


 頭の整理が追いつかない中、俺は口走った。


「わけわかんね。」


 一目散に俺は走り出した。

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