悪の巣窟! 発狂列島警察24時!

 ここは発狂列島クレイジーアイランド

 来る日も来る日も国民の共が、あへっておほるイカレた国家。

 そんなSAN値直葬ワールドで今日も警察組織は治安維持に努めている。


 警視庁の地下にある特殊警備班2課・NTR発見即射殺課ねとられサーチ&デストロイチームのオフィス。その入り口近くに陣取るは警視庁きってのこと橋詰弾課長その人だ。

 なぜ彼が地下の冷えた空気が雪崩れ込むオフィスの下座に陣取るのか?


「あーNTR野郎共を早くぶち殺してやりたいやな!」


 緊急NTR案件発生エマージェンシー横取りファックアラートの際に、誰よりも迅速に出動しNTRバトラーにレバーアクションソードオフショットガン(殺傷能力がバカ高い銃身を切り詰めたカスタムショットガン)より吐き出されるスラッグゲージ(殺傷能力がバカ高いショットガンの弾)の聖なる正義の鉄槌を脳天にぶち込みたい、その熱い想いがそうさせた。


「弾課長、そんな寒いところ座ってて大丈夫でありますか?」

「寒さだぁ? そんなもんクソ女をカスに奪われてから、わからなくなっちまったよ馬鹿野郎!!!!!」


 元部下の気遣いを一蹴したこのエピ―ソードで、察しの良い視聴者の皆さんならわかるだろう。弾はマッドマックス狂気マシマシポリスメンなのだ。


「NTR発生! NTR発生! 緊急出動! 緊急出動! 事案P! 事案P!」

 けたたましいサイレンが鳴る。

 煙草のヤニで黄色くなった天井に設置されたスピーカーから、出動命令が下る。


「事案P……パパ活……港区だな」

「いつ聞いても良い声だな~オペレーターのお姉さん……」

「馬鹿垂れ! 出動だワン公!」

「あいてて、うい~っす」


 弾に頭をシバかれた若い警官こそ弾直属の部下、音鳥奪ねとりうばうである。


「そんなおもちゃでいいのかワン公」

「いいんすよザコをバラすならスコーピオンで十分でありま~す」

「語尾を伸ばすな馬鹿ちんが」

「いてて……ご指導ありがとうございま~」

「クソボケがあぁああああああ!!!!!!」


 時代にそぐわぬ弾の鉄拳制裁かわいがりに、ついてこれた警官ワンんちゃんは奪だけである。

 そうこの部署は2人の警官しか所属していない少数先鋭チーム。

 聞えはいいが正直ヤバいぜ。


 ■ □ ■ □ ■


「桜の大門マジなめんなコラ!」

 NTRバトラーの頭部がはじけ飛び、血と脳漿が混じったピンク色の人間だったモノがラブホの壁にぶちまかれた。


「きゃあああ!」

「うるせぇ! ブス! 天誅しねッ!!!!!!」


 ズドン。


 ラブホの壁に季節外れの桜の花が2輪咲く。

 とても綺麗だね。

 気象庁も開花宣言をせざる得ない。


 

 それはお上が厳正なる審議で取り決めた、美しい国を維持するための優性思想型粛清許可ガチヤバライセンス。


不貞ふてえ野郎共だなあ奪坊」

「ですねー課長」

「名前で呼べやいい加減」

「畏れおおくって、ねえ?」

「ああ!?」

「ちょっと銃口こっち向いてますって、人差し指をトリガーにかけんでくださいよぉ。橋詰さん」


 ズドン。


 弾の真上にぽっかり穴が空きパウダースノーみたいな破片が降り注ぐ。


「苗字で呼ぶな————クソ女を思い出しちまう……」

弾はベージュ色のトレンチコートからリトリシガーを取り出すと、パチンコ屋で当てたオイルライターで火をつける。

青白く細い煙が愚者どもの死を悼む線香の如く立ち登る。

「うっうす弾さん」

「いい子だ」


 奪うの頭に拳骨が降った。


「俺たちは、お国のためにクズをぶっさらってもいいんだよ。わかるな弾よ」

「うす劣殺法が殺人を許すっす」

「馬鹿野郎! 畜生殺しだ! これは間引きだ! 害獣駆除だ!」

「うす失礼しました!」


 今日も今日とてNTR狩り日和。

 ホテルに汚い血の雨が降る。


【Aパート終わり】

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