第32話 惑星ウサミミ3

「面白いことやってるじゃないのミルゥカ主任。」


「ピータン課長おもしろそうだからきたの?」


「シンもラドも来ているし様子を見に来たのよ。それに事後処理もあるでしょう?もふもふとか。」


「ああぅ、それねぅ。」


ミルゥカはキチフェス船長をピータンに渡す。


ピータンに続いてキミちゃん帝王様と3体の人造人間(Artificial Human)アーフがホワイトバーニーの艦橋に実体化してくる。


「見てたのじゃ、よわっちいウサギ達相手に相変わらず容赦がないのじゃ。可哀想にのう。」


キミちゃん帝王様は艦橋で縮こまっていたウサミミ人のクルーをつかまえてふわふわの耳をはむはむしている。


ウサミミ人のクルーは震えあがっていて気絶しそうになっている。


「こらーっ、誇り高きウサミミ軍人の耳をはむはむするなー。な、なななな何という屈辱。」


その様子を議事堂の大型モニターを見ていた惑星ウサミミ百氏族群代表ピキティルが叫ぶ。


「で、降伏すんのぅ?」


ピキティルはぶち切れた。


「アホかー、こんな侮辱を受けて黙って降伏出来るかー。最後まで戦ってやるー。」


どうやらそういうメンタルの種族のようだ。

どのみちこのメンタルでは遅かれ早かれ接触した上位の種族に滅ぼされるのは確定だ。


もう惑星破壊でいいかな?


「ここは残そうよ。」


ピータンが言う。


「だってかわいいじゃない。」


ピータンがキチフェス船長の長い耳を撫でまわしている。


多分そういう習性があるのだろう。キチフェス船長がぐったりと脱力して、なすがままになっている。


キミちゃん帝王様がつかまえているクルーも同様。


ピータン課長、そう言う理由でいいんですか?


「大丈夫、連合議会も絶対認めるよ。」


「うーむぅ、確かに。」


武装解除してアーフを何体か駐在させて統治すれば大丈夫って言うAIの判断もあるし、いいか。


それはそれでウサミミ星人にとって過酷な未来のような気がする。


「じゃあ、せいあーつ。」


かるいなー。


シン達一行とホワイトバーニーの生存者は観光バスに移動する。


「きゃあー。かわいいー。」


ウサミミ星人はバスに乗っていた他の乗客にも大人気だ。


みんなでウサミミ星人達の取り合いになってしまう。


「やーめてーぇ。」


ウサミミ星人はクタクタだ。


バスの中は基本窓向きに椅子が設置されている。窓はリアルな窓とモニターに切り替える事が出来る。


今は全周モニタースクリーンになってウサミミ星を写し出している。


サーチが終わったのか写し出されたウサミミ星の映像に一斉に色々な色のドットとその説明が表示される。


「惑星の軍事施設や主要製造施設のロックオンが完了しました。」


AIナビのアナウンスが入る。


「じゃ制圧開始、議事堂に転送するわ。」


ミルゥカさんがそう言って間もなく制圧完了のアナウンスがある。


ウサミミ星人と接触してから約7分、

あっという間だ。



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