第31話 惑星ウサミミ2

惑星ウサミミ百氏族群代表ピキティルは不安な面持ちで核の光で真っ白になったモニターを見ている。


他の議員達も不安をぬぐえずにいる。


あんな小さな船がウサミミの艦隊を駆逐して旗艦だけを曳航して来ている異常さがククウェル船長にはわからないのだろうか。


何故、議会の了解も取らずに攻撃してしまったのだ?


白い光が薄れ視界が戻ってくる。


「宣戦布告だよねーぅ。そーだよねーぅ。いきなり核使っちゃったしぃー。」


ククウェル船長の乗るウサミミ第284艦隊旗艦ハクトの艦橋や議事堂の大モニターにミルゥカの姿が映る。


何故かミルゥカさんは上機嫌。


ミルゥカさんがニヤリと笑うと....。


「対象からの攻撃を確認、交渉の意思がないことを認識、惑星制圧モードに移行します。」


バスのナビの声だ。


惑星の制圧って、これ観光バスでしょう?


バスを取り囲んでいたウサミミ艦隊の船が片っ端から爆発していく。


それも外に向けて膨張するのではなくギューっと縮んで何かに吸い込まれるように消えていく。


20秒ぐらいだろうか、艦隊は跡形もなく消えてしまった。


ホワイトバーニーのクルー達は真っ青な顔をして震えている。


キチフェス船長がミルゥカさんの膝の上で狂ったように暴れている。


「やめてー。お願いだからもうやめて。」


「あたしぃ達はあなた達のしたぅことにぃお返ししてあげたぅだけーぅ。」


「宇宙戦わぅこんなものぅかしらぅ、じゃーあぅ。地上作戦に移行するわーぅ。」


惑星ウサミミ百氏族群代表ピキティルが何か言う間もなくモニターに画面は宇宙空間を映す。


連合のバスが小さな点にしか見えないぐらい広角で映し出された空間一杯に巨大な球形の宇宙船が無数に迫っている。


「選択肢は2つ、すぐに返事をしてねぅ。予定があるから。」


「無条件降伏か惑星の破壊どっちが好き?」


「選択肢なんかないじゃないかー。」


ピキティルが叫ぶ。


「なにきれてんのよーぅ、何に対して敵対したのかをわからないのかしらぅ?」


実際は連合の艦艇はそんなに大きくもないし多くもない。


星間通商連合の宗主国M76星団 ウリアレス恒星団、惑星ヴァイ人の建造する艦は観光バスとそんなに変わらないし艦隊と言っても実際は多くて3器で

充分オーバーキルになってしまう。


各艦にアーフが3体ヴァイ人は一人いるかいないかってところ。


航行器と呼ぶのは搭乗員の器としての機能の方を重視していて戦闘などはおまけぐらいにしか考えていないからだ。


はったりにキミちゃん帝王様の航行器が遊びがてら来ているけど、帝国の航行器は惑星を含む宇宙空間の容器だ。


やたらと大きいけど、時空をコントロール出来るので本当は見た目の大きさは自由でもっと小さくも出来る。


だから観光バスぐらいでもものすごく沢山のものが積めるので全然問題ない。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る