第12話 スペースデブリ
「こりゃひどいね。」
ピータンがモニターで外の様子を見て言う。
惑星ヴァイ(星間統一言語インターコスモのインストールで惑星ペコの住人も聞き取ることができるようになったはず)統一国家、星間通商連合新規事業部開拓課課長ピータンは軌道衛星の設置具合を視察するために辺境惑星ペコの衛星軌道上を周回している。
シンが同乗しているのは惑星ヴァイを見せてやろうと考えたから。
モニターでは大小の金属片がクラスターになって軌道上を超スピードで周回している様子が見られる。
「これ、ほったらかしなんだよ。信じられない。」
「まるでゴミ屋敷だよ。」
そんな地球のそれも日本の事情いつの間に知ったんだろう?
なんだかこの異星人達地球に染まりすぎていない?
本当に知性レベルが高いの?
「このゴミって衝突や爆発で加速されたそのままの速度で周回しているんだよ。」
「銃弾や砲弾が飛び交っているのと一緒なんだ。」
画面の端に円盤型の黄色の宇宙船ぽいものが写りこんで来た。
いくつもある。
線香花火のように光を発している。
その光に当たるとデブリは消えてしまう。
「あれはゴミ収集機だよ連合に送ってもらったんだ、置いておけば自動で掃除するから便利なんだ。」
「集めたものは元々の所有者に返してあげるんだ。」
地球では問題にはしていたけど全然手付かずだったから「渡りに船」だね。
しかも返してくれるんだから「棚からぼたもち」
ピータンいつの間にことわざを覚えたの?
ラドはシンの手を掴んでモニターを見ている。
何を考えているのかは伺い知れない。
条約締結後すぐにアキがシンの家にやって来た。
ラドの頭を撫でながらアキはすごく盛り上がっている。
「だって、わかるでしょ。」
「これから勉強して知りたいって思っていた以上の知識や情報が頭の中に飛び込んで来たのよ。」
何万年分もの知識が、それでね、それでもまだまだわかっていないことがいっぱいあるのよー。」
「すごいでしょ。」
「学校とかどうなっちゃうんだろう。」
「ねえ、ねえ、シンってば何考えているの?」
「ワクワクしない?」
アキの好奇心や希望に満ちた顔を思い出す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます