猫又星人の子供に転生した僕が、美女達をキャトって楽園を創るまでの話

黒銀結月(くろがねゆづき)

[第01話] 転生したら猫又星人でした?

「はぁ……。地球……滅びないかなぁ」



 僕の名前は「七星結月(ななせゆづき)」。

変化の無い人生に飽き飽きしている平成元年生まれで14歳の、自他共に認める厨二病全盛期のクソガキだ。

両親? 兄弟? そんなものは居ない。僕の城には僕一人。それが現実だ。


 平成も中期に差し掛かろうとしている時代。

この国はオタク文化とウォシュレット便座と美味しい食べ物以外何も無いくせに、本当に不自由だ。

税金も、僕の様な下級国民には殆ど回ってこない。福祉も社会保障も不十分だ。文句を上げたらキリが無い。


I want freedom!! (僕は自由が欲しい!!)



 朝起きる。歯磨きする。朝風呂する。洗濯機を回す。食事する。学校に行く。

そして、帰宅部国体1位の僕は誰よりも早く、呼び止めようとした教師、幼馴染、野良犬、チンピラ、その他諸々を流れる様に回避して帰宅する。


 ずっと──ずっとずっとずっとずっと……そんな人生を繰り返してきた。

人生にイベントが無い……何故だ?

普通、そこら辺のラノベやアニメなら美少女の幼馴染が朝起こしに来てくれる筈だ──



「──もうっ、ゆづ! 遅刻するよ、早く起きな……さいっ!」

「寒い……布団……返して…………」

「はい、着替える! ポイポイポイポイッ」

「はい、歯磨き! シャカシャカシャカ……ガラガラ~……ぺっ」

「顔洗う! バシャバシャバシャ」

「ご飯食べる! もぐもぐもぐもぐ」


「これじゃあまるで、僕は要介護者だよ、羽月姉ちゃん……」

「はい、学校行くよ!」


一通りの授業が終わり、昼のチャイムが鳴り、昼食の時間がやって来る。


「はい、あーん」

「あーーん。もぐもぐもぐ……。(何故学校でまで……?)」



 午後の授業が終わり、水泳部に向かう幼馴染の「時雨羽月(しぐれはづき)」は一つ上の15歳。

陸上部のエースで、水泳部を掛け持ちしている。

 幼くして親兄弟を全員喪った僕の面倒を見てくれている──介護級に。

もう子供じゃないと幾ら言っても聞く耳を持たない、過保護なお姉ちゃんだ。


 僕はいつも通り、羽月姉ちゃんの部活動が終わるまでボーっと彼女の姿を眺めていた。

うとうとしていると下校のチャイムが鳴り、スクール水着の羽月姉ちゃんが近付いて来る。


「帰ろ、ゆづ!」

「……そのカッコウで?」

「バカッ!」


──羽月姉ちゃんの家に着いた僕は、彼女の母親から熱烈過ぎる歓迎をいつも受ける。


「ゆづくぅ~~ん♥ 今日は、ゆづ君の好きなハンバーグよ♪」

「いつもすみません……」

「良いのよ! ゆづ君は私の二人目の子供みたいなものなんだから♪」


 ──賑やかな食事の時間が終わり、羽月姉ちゃんと一緒にお風呂に入る。

一緒にゴシゴシと、背中を洗い合い、少し狭いバスタブに一緒に浸かる。


「いっい、湯っだっね♪ ふふふん♪」

「ブクブクブク……」


 僕は顔を真っ赤にして、目を逸らし続けた──

そして、歯磨きをしてからシングルサイズのベッドに一緒に入る。


「ねぇ……ゆづ」

「……なぁに?」

「ゆづってさ──好きな子とか……いるの?」

「えっ!? ななっな、何で?」

「──なんとなく」

「……ヒミツっ! 僕もう寝るからっ!」

「あっ──もう……ゆづのイジワル……」



 ──なーんて、バナナチョコレート級に激甘な青春は送ってないのが何を隠そう、この僕だ。

そんな僕の人生に、二度目のXデイが訪れる。

 何気ない、いつも通りの帰り道。

野良犬、チンピラ、暴走車、その他諸々が荒れ狂う世紀末的な帰路。



僕はいつもの様に、障害物共を躱していく。


「帰宅部国体1位の実力をナメるな──雑種共……

 うっ……ぐ!? 足が攣った……だと!? この僕が!?

 慢心していた……完全に慢心王だった……準備運動を怠っていた……

 しかも、ここは横断歩道の真ん中ではないかっ! Oh,shit!! (詰んだぜ!!)」


 キキィーーーーーーーー!!

鼓膜に突き刺さる様な急ブレーキ音と共に、フローラルな香りが漂ってくる。


「なにィーー!? あ、あれはさっきの暴走車だとォーー!? Noooooo!! (ノォォォォォゥ!!)」

「危ないっ!」

「えっ?」


 フローラルな香りの正体は、隣の家に住む先輩「時雨羽月」の香りだった。

ややぽっちゃりで、胸は魔界的Iカップ。はち切れんばかりの太腿に大き目のヒップ。

そう、まさに男性諸君が憧れるマニア体系女子。

髪はライトベージュのセミロングボブ。

So,選ばれし美少女に似合う髪形だ。


 そんな美少女に横断歩道の真ん中で、僕は突き飛ばされたのである。

アスファルトに倒れる直前、野良猫の匂いが鼻に近付いた。


「Cat? (ぬこ?)」

「んみゃ?」


「──痛い……生臭い……身体が動かない……瞼が閉じていく…………」


 暴走車に轢かれたのか? こんなところで僕は死ぬのか?

幼くして親家族が死んだこと以外、特別イベントに恵まれなかった人生で? Why,何故?


 あれ……? ああ──にゃんこも、羽月さんも一緒に死ぬのか──

誰かと一緒なら……まぁ……いいや────


 目が覚めると──身体がショタガキになっていた!?

What!? Cat ears!? (猫耳が生えている……だと!?)


容姿的には10歳くらいか……ん? なんだこの変な感覚は──


「何だ、ただの尻尾か……尻尾ぅ!? しかも二本!? Two tails!?」


 どうやら、僕は「猫又星人」の子供に転生してしまったらしい。

そう言えば、猫様は9つの魂があるっていう話が有名だな。


背後からプシューーーっという、SF映画で聴き慣れた宇宙船のドアの開閉音が聴こえてきた。


「あら? 起きてたのね、Μμ(ミュー)」


 ミュー? 僕の事を言っているのか?

そっか……僕はこの、白猫獣人の子供として転生したのか──


ふーん……気に入りましたっ!


「またGJ1214b(スーパーアース)を見ていたの?」

「あの星は……地球?」

「何を言っているの? あれは地球ではないわよ」

「地球は青かった──」

「だから、地球じゃないってば!」


「そう言えば、今度パパが地球人を捕まえに行くって、張り切っていたわね」

「えっ? 捕まえに?」

「ええ。ミューの10歳の誕生日にペットをあげるんだー! って……あっ、今の忘れて!」


「……どうやって捕まえるの?」

「どうって……いつも通り“キャトルミューティレーション〟で、よ?」


 キャトルミューティレーション──SF映画で良く見かけるアレだ。

宇宙船から光が出て、牛がフワ~ってやつ。

そっか。あれが現実として存在する世界なのか。


「どうしたの、ミュー? いつもの貴方らしくないわよ?」

「えっ? いつもの僕って、どんなだっけ? (マズイ! 転生者だとバレる!)」



「いつもなら──」


「──ママー! だっこー!」

「うふふ。本当にミューは甘えん坊さんね」

「ママだいすきー! ぎゅー!」

「もうっ、くすぐったいわよ」

「ママ────」


「って、感じで──」

「なん……だと!? 本当に許されるのか!? この美熟女マダムにそんな……合法的にSafe!?」


 おおおお落ちん着け……。素数を数えろと、かの有名なあの人が言っていた!

確か名前はエ……エ……エリンギ?

 駄目だ……。頭を強く打って死んだ所為か、記憶が綻んでいる──

えぇい! こうなったらad-lib(It's a Free World)だ!


「マ……ママ……だだっ、だっこ……」

「あらあら、またなの? しょうがないわね、おいでっ」

「ぎ、ぎゅ~……」

「ぎゅ~~」


 これで良し──我ながら、完璧過ぎる芝居だった。

これが舞台子役なら、おじさんになるまで安泰だったろう。


 しかし──娯楽は無いのか? インターネッツは? ゲームは? アニメは? マンガは?

虚────

 嘘……だろ? ここ、SFの世界だぞ? 宇宙船だぞ? 宇宙人様だぞ!?

もっと、こう──ぶあぁ~~~って、何かあるだろう、何か!!


ん? Pocketに何か入っているじゃあないか。これは──


「──ガラパゴス携帯?」


とりあえず、適当にポチっとな──


「うわぁっ!?」

「きゃぁっ!? ど、どうしたの!?」


 何だ今のは!? 脳内に大量の情報がDownloadされて、仮想空間に入り込んだぞ!?

僕とした事が──慌ててガラケーを落としてしまった。



「もう、ミューったら。今日は何処の世界に入り込んだのかしら──きゃっ!」


きゃっ!? 一体、Mommyは何に驚いている──キャァッ!?


「あ、あの……そそっ、それは──」

「うふふ。ミューも、もう思春期なのね……。こんなエッチな──」

「違うんです、それは……っ!」


 おいいいいいいいい!?

ミュー君!? 可愛い顔して何ていうものをPlayしてるんだ、君はァーー!?


「マ、ママは……良いと思うわ──エッチなお姉さん達との楽園建設……」

「違うんです、違うんですっ!!」

「はい……もう落とさない様に……ね?」


 駆け足で去って行った……。ドン引きされたに違いないんだ──

うわあああああああん!! ミュー君のバカアアアアアアア!!


「ところで、僕が此処に居るなら、ミュー君の精神は何処へ行ったんだ……?」



今度は何だ? 誰かが駆け足で──


「おい、ミュー! お前の船、整備終わったぞ! つっかれたぁ……」

「えっ? 船って?」

「何言ってんだよ。お前が先月壊した猫型UFOの事だろ?」

「あ、ああ! あれですか! ありがとう、パピー!」

「な、何かお前──いつもとキャラが違うな(思春期特有のアレか?)」


し、しまったァー! ミュー君のキャラ設定を完全に忘れていた……Holy Shit!!


「──そう言えばお前、あのエロゲ……ママに見つかったんだって?」


 何故それを──ハッ!? 解ったぞ……この人だな!?

この人が、いたいけなミュー君のケータイに、あんな……あんなエッティでお下品なゲームを……

ありがとうございますっ、父上!!


「その……びっくりして、端末を落としてしまった際に──」

「な? だから言っただろ? バレない様に多重にカモフラしておけって」

「以後……気を付けます、父上」

「ち、ちちうえ? 学校では地球の文化が流行っているのか?」

「あっ──そ、そうなんですよっ! いや~、クラスの子が──」


 マズった! 妄想上の敬称が出てきてしまったぜ!

クールになれ……賢者に転生する気持ちで──


「じゃ、俺は仕事(プレゼント調達)に行くが……くれぐれも“沼〟には、ハマらない様にな──」


 父上は去って行った。沼とは? ダメージゾーンの事だろうか?

暇だし、さっきのエッティゲームでも遊んでみるか──なっ、と。


「はぁ~……完全に実写だこれ……」


科学やべー……宇宙やべー……。


「何々? このゲームは未成年の利用を固く禁じて──知るかっ!

 僕はもう、大人の身体なんだ! (大人って何だ?)」



「──あっ、皆~! ミュールが帰って来たよ~!」


 ミュール? 誰の事だ──ああ、このキャラクターの名前か。

ん……? ちょっと待って……エッティなお姉さんの群れが、まるでヌーの大移動が如く近付いて──


「「「「「「「ミュール! おかえり~!」」」」」」」


「うわぁっ!?」


 ミュー君……キミは弱冠10歳にして、一体どんな遊び方をしてたと言うんだァー!?

ミュー君、済まない……。君のデータは削除させてもらう……。

Goodbye data, forever...


「何故ならば、今は僕こそがミュー君なのだからっ!」


 本当にデータを削除しますか?→Yes 本当の本当にデータを削除しますか?→Yes

本当に本当に本当に……しつっこいな、この警告っ! 何なんだよっ!



「ふぅ……。やっと削除に成功した……ん? チュートリアル妖精?」


 何とも可愛らしい、少女の体躯に見合わない二房のメロンが付いているではないか。

作者め……さては、巨乳好きだな? さっきも巨乳のお姉様しか居なかったし──


「あなたのお名前は?」

「あっ、ミュー……」

「ア・ミュー! これからよろしくねっ!」

「違っ……」


 “あっ〟は日本人の困った口癖堂々第1位いいいいい!!

テレビコマーシャルでも使われてるくらいだ!


──ふん。まぁいいさ、名前など。問題は内容だ。



「えーと、何々……? 美女、美少女達を思うがままに捕獲してください……?」


 そんな投げ槍なチュートリアルがあるかァーーーー!!

ちゃぶ台が遠方へと飛んで行き、アンドロメダ銀河の一部となった──



「とりあえず……森に入ってみよう。エンカウント率が高めというのがお約束だ──あっ、あれは!!」


 トンガリ耳、紫黒の肌、銀髪のポニーテール!

伝説のダークエルフさんじゃあないかっ! ほ、本当に捕獲しても良いのだろうか……?

ええい! ままよっ! (どうにでもなれ!)


「この捕獲リングを、輪投げの要領で投げれば良いんだな?

 そう言うのは──大得意だっ!」


投げたリングは、ダークエルフの後頭部にクリーンヒットした。


「いったた……。これ投げたの……君かな?」


 な、なにィー!? この輪投げの神童と呼ばれた(呼ばれてない)僕が外した……だと?

物凄く怒ってるぞ……どうする?


「あ、あの……その……ごめんなさ──」

「君……可愛いお顔してるわね。あっちの茂みに行こっか……♥」


 ま、マズイ! この流れは“ショタ喰いの流れ〟!!

良い子のお友達には見せられない──早く強制終了を……あれ?

ちょっと待て、まさかこれって、一昔前に流行った──


ゲームの中に閉じ込められちゃう系ですかァーー!?



「──はっ! ゆ、夢か……。何ていう夢を見るんだ、ミュー君……(むにっ)」


むに? 何だこの、むにむにした感触は……。低反発枕みたいな──


「あんっ……」

「あん?」

「ミューったら……。もうママは母乳出ないのよ?」


 ああ、そっか──Mommyに抱かれて眠っていたのか。

道理で、あんな卑猥な夢を見るわけだ。

──しかし、大きいな。羽月さん以上だ……。Lカップ程だろうか?


「ちょ、ちょっと、ミュー! いつまで揉んでるの!?」

「あっ、ごめんなさい……つい……」

「そう……。ママが知らない間に、男の子になっちゃったのね──」

「マ、ママ……。そんな遠い眼をしないで……」


 そう言えば、ミュー君……いや、僕の猫型UFOが直ったと言ってたな。

試運転としゃれこもう。免許無いけど……ゲームで鍛えたプレイスキルがあるから大丈夫か?



「ここが格納庫……あっ、あれだな! へぇ~、可愛いじゃん。

 って、何処から乗り込むんだ? ──うわっ!」


猫型UFOの口を触っていたら丸吞みにされ、僕はコックピットへと運ばれた。



「す、すげー……。操作パネルとか何も無い……脳波で操作するのか?」


浮かべっ!


「う、浮いたっ! よーし、とりあえず地球に行ってみるぞー! はっ……しんっ!!」


一瞬で地球の真上に来たぞ……。 これが噂のファストトラベル(※)か?

※一度訪れた場所に瞬間移動するシステム



「よーし、父上よりも先に地球人女性をキャトるぞ~!」


 そうだ、この船の名前は今から“スペースキャトル〟にしよう。

キャットとキャトるが掛かっていて、我ながら良いダブル・ミーニング(※)じゃあないか。

※2つ以上の解釈が出来る意味付けの意



「何処かに良さげな女性は……ん? 少女が襲われている……? ──マズイッ!」


 僕は咄嗟に、物陰に隠れて怯えていた少女をキャトった。

歳は──9歳くらいだろうか。栗茶色のミディアムショートボブの綺麗な髪だ。

黒目という事は、アジア系の子だろう。

 この服は──何だ? 数字……まさか────奴隷オークションから逃げ出した子か……?

酷く怯えている。僕のこの愛らしい姿が恐ろしいのだろうか?



「だ、だいじょうぶ? どうして震えているの?」

「おっ──」

「おっ?」

「おしっこーーーーー!!」

「なっ!? ど、どうする!? トイレなんて何処に──迷ってる暇はない!

 この子が膀胱炎になる前に、母船にファストトラベルだ!」


シャアアアア────


 間に合って良かった……。

斯(かく)して、少女の尊厳と膀胱は守られたのである。



「……おにーちゃん、だぁれ?」

「お兄ちゃんはね、ミューって言うんだよ。君は?」

「メイは……メイ!」

「メイちゃんかぁ、可愛い名前だね」

「えへへー」


くっ……! 何て眩しい笑顔なんだ……。これが、天使……Angel?



「おにーちゃん、どうしたの?」


 くっ……! やめてくれ、その疑問符を浮かべた純情無垢な顔──

浄化……され──


「おにーちゃん?」

「あ、あぁ。メイちゃんに似合いそうな服を考えていたんだよ」

「ふくー?」


──流石に、いつまでもこんな……こんな商品みたいな服装は可哀想だ。


「9歳の女子に似合う服……か。そういうのは僕、疎いからなぁ……」


 ん……? 何だこの記憶……ミュー君の記憶か?

大量の理想の女性像が──脳に直接流れ込んでくるッ!!


「おにーちゃん! おにーちゃんってば!」

「……ん?」

「メイ、この服でイイよ?」

「駄目だッ!」

「ひっ! ……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめ──」


ミューはメイを、優しく抱き締めた。


「──大きい声出して、ごめんね。メイちゃんに怒ったわけじゃないんだ」

「……そう……なの?」

「そうだよ。君にこんな……こんな仕打ちをした大人達に怒ってるんだ──」


 ミューは、歯が欠ける程に強く、強く食いしばった。

穢れを知らない幼き少女を、想像するに容易い用途で売買しようとしていた売人と富裕層──

いつか、根絶やしにしてやる── ミューは強く決意した。



「そうだなぁ……じゃあ、これにしよう!」


 携帯端末をポチポチしていると、沢山のファッションコーデのイメージが眼前に投影された。

ミューが選んだコーデ────

それは、薄桃色の半袖Tシャツ、インディゴのショートパンツに黒のレギンス。

背伸びしたいお年頃に、オシャレなミニヒールサンダル。

極めつけは──ミニリボン付きの黒いカチューシャである。


「ミュー君の秘蔵コーデ……ありがたく使わせてもらうよ」


「わぁぁ……」


 映像に手をかざすと、メイの身体が光に包まれ、着ていた衣服が着脱された。

そして、ミューが選択したコーデに早変わりしたのである。宇宙……ヤバイ。



「かわいー! わーい、わーい!」

「あははっ。喜んでもらえたかな?」

「うんっ! メイね、このお洋服すきー!」

「うんうんっ。良かった良かった」


はぁぁ── My best angel...


「なんか……ねむい……」

「沢山恐い思いして、疲れちゃったかな? ゆっくりお休み──」



斯して、猫又星人に転生した僕の楽園projectは始まったのである──


To be continued...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

猫又星人の子供に転生した僕が、美女達をキャトって楽園を創るまでの話 黒銀結月(くろがねゆづき) @kurogane-yuduki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ