第15話―桶狭間の戦いへ―

永禄えいろく三年。

その1560年で大きく日本を揺れ動かす戦いが幕を開けようとしていた。

誰もが聞いた事はある桶狭間の戦いである。


「な、なんだとっ!?今川義元が尾張に向かってきているだと」


報せてきた伝令に言葉を失う。

信長からすれば青天の霹靂であった。


「ハッ!その数ざっくりと数えて25000ほど」


(くっ。こちらはせいぜい兵を集めても2000か三千しか募らないだろう。

油断した。村木城などの緒戦で勝利に浮かれてしまったせいか)


額に冷や汗を落ちる不快さに、信長は手で乱暴に拭いながら塾案する。

勘十郎こと信行と内部分裂したばかりで忠誠心やら兵力など疲弊している状況下で。


「ははっ、今川義元なんてザコですよ。

うつけ、うつけですよ。

どうせ上洛して天下に大号令をかけようと通過点であるここを攻めてきた。

現実を教えてやりましょう」


軽薄な笑みを浮かべて嘯いているのは近侍。

この発言にカンパニーの社長である信長は鬼を射殺すような鋭い視線を放つ。


「貴様こそ現実を見てからものを言え!

天下に大号令するには六角氏などもいる。足利将軍を威光をあれば話は別だろうが、俺がしてきた

尾張内にある今川義元の支社を圧力かけるために

付け城を設けたことが発端だ」


「えっ?そうなんスか」


「そうなんだよ。たくっ、いいか!

今川義元の視点からでは三河のシェアを安定した長い支配しておきたから支社を間接的に攻撃する我が社が目障りで仕方ないんだ。

内輪揉めしたばかりなら叩きやすいと来たんだろうなあ」


「で、ですが今川義元なんか一捻りですぜ」


「甘いなあ。こんなこと家臣にするべきではないが敢えて士気を下げるうえで事実を述べる。

俺とは起業家としての海千山千をくぐり抜けていき生きてきた年月が違う。

俺はまだ就任したばかりで浅い、今川義元は師を失いながらも大企業でも驕らず油断しない」


「マジっスか。

そう断言されたら認めるしかないか。あと冷静になってみれば実戦も死地を乗り越えた兵もあちらが

ある。

これ詰んでね」


それに村木城や小豆坂(あずきざか)の戦いとは違い

エースや松平元康とその屈強な三河武士までもがついている。

そのうえ二万という過剰なほど大軍を連れてまでするのは勝ち目がない。


「しかし。それでも諦めないぞ。

勝てなくとも何か……ひらめいた策で対抗するしかない」


「の、信長様……」


(しかし精鋭の親衛隊である赤母衣衆あかほろしゅうの筆頭。

黒も含めて定員は各十名、赤を務めていた前田利家を出仕の処分をしたことは痛い)


パワハラを受けてきた前田利家が激昂して信長の気に入られていた、お坊さんの拾阿弥(じゅうあみ)を斬殺した。

斬殺とはいえ信長カンパニーで前田利家がカバンを何度も何度も振るってボコボコにしたことから同僚が目撃してオーバーに広まったからだった。

黒の筆頭の河尻秀隆などや愚者を振舞って人脈を築いて優秀な家臣を集めていた勝機はみえない。

希望をすがるように。

震えながらも信長は、絶望に抗おうとしていた。

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