したいことをしろと言われましたが流れに身を任せます

おむち

第1話 新たな転生者、準備をする

太陽も照明もない、謎の力によって明るさを保たれている真っ白な場所。そこは人々から神界と呼ばれる。神々は今日もせっせと仕事をこなしている。


また、新たに少年が1人…。


・・・・・・・・・・・・・・・


ふぁ~。眠い。今何時だ?


ん?あれ?ここ、家じゃないんだけど。


起き上がるとそこには時計もスマホも見当たらない。ベッドもないし、そもそも寝室ですらない。たった1人、異空間に立っているようだ。


しかも体に違和感がある。体の感覚はあるのだが、普段よりちょっと軽いような気がする。


…誰かいないのかな。


「あ、あの、誰かいませんか…?」


反応が何もない。夢なのかな?こんな夢見たことないし、聞いたこともないけど。…こんな所で1人ってなんかの罰?なんかしたっけな…。


「はぁ、どうしよう。」


とりあえず歩いてみる?そう思ったとき。


「めんごめんご~!ちょっと前の人がグダっちゃってさ~。」


突然少年の背後から声がかかる。


「っ!!びっくりした…」


振り返ると、そこには自分より背丈がある、綺麗な白に統一された服を見に纏っている、茶目で、すこしふわふわした金髪のギャルがいた。大きな天使の羽を模したものが彼女の後ろに見えている。くっつけているのか、はたまた生えているのかはわからない。


「じゃあ早速話していこうか」


「えと、どなたでしょうか?」


「あ、名乗ってなかったね。あたしは異世界の神、詳しく言うと転移・転生神。人々をもといた世界とは別の世界に転移・転生させて新たな人生を歩むお手伝いをしているよ」


「は、はぁ。なんか、ものすごくアニメみたいですね」


「あ~!絶対夢だとおもってるでしょ!」


「え、まあ。」


それ以外に思いつかないよ。なんでここにいるのかもなんで神様と喋ってるのかも。てか、神様ってこんなフランクなんだ。もっとお堅いものかと思ってた。


「ここは夢じゃない!…って言いたいけど、今はそれは置いておくよ。実際に経験したらわかるしね。」


「経験する…?」


「あなたは、もとの世界で普通に生活を送ってたんだけど、あたしがちょっとやらかしちゃたせいで別の世界に転移して貰うんだ。あたしのために、あなたへの償いを受け取るってことで転移よろしくね︎ ☆」


「あの…断るとどうなるんですか?」


転移ってゲームや小説の世界の中の話で、全く想像つかない。転移しても主人公達のように上手くいく気がしない。お金はどうすんだって感じだし、力がどうのこうのとか争いたくない。


「転移しないとここにずっといることになるかな。ここでできるとことって言ったら、お腹は空かないし眠くもならないから、いろいろな世界を眺めるだけに限るかなあ。あ、それと転移先については心配しないでいいよ!勇者になれ!とか世界を救って!とかは言わないし、あたしが原因だから、できるだけ生活しやすいようにスキルとか基礎知識とか与えておくから。」


「転移する?」


えぇ、もはや脅迫でしょ、それは。まあ、確かにこの場所にいても孤独死でもしてしまいそう…。


「えっと、わかりました。転移します。でも、説明をもう少ししてほしいです。」


「ありがとう!」


「まず転移と転生の違いなのだけど、転生は新たな生を受けること。転移は今のあなたの姿のまま転移することね。」


「今からあなたが転移する先は魔法、剣、魔獣がいます。あなたのその様子だと、あまり好戦的ではないみたいなんだけど、私は行き先までは決められないの。ごめんね。代わりと言ってはなんだけど、生活がしやすくなるためのスキルを与えておくね。心のなかでステータス表示と唱えると、今のスキルやステータスなどが見れるよ。転移先では自分がしたいことを沢山して過ごしてね。」


そういえば、さっきからずっと今までの事を思い出そうとしても記憶が無いのか不明だが、思い出せない。もとの世界での自分の名前もどこに住んでて何をしてたのかも、丸ごとない。


「あの、神様。私は前世?の記憶がなくてしたいこととかがわからないのですが…。」


「あ、そうだったそうだった。前世の記憶は消しておいたの。理由はあなたに言えないんだけど、あたしのやらかし繋がりだから、なんかやらかしたんだな、って放っておいて貰えると助かる。」


「んー、じゃあそうだね、転移先でしたいことを見つけたり、いろいろな所を巡ってみるといいと思うよ。」


「ありがとうございます、神様。どうにかやっていこうと思います。」


「うん!じゃあ行ってらっしゃい!転移させるね。」


どうなるのか不安しかないけど、行くしか道はないから、とりあえず考えるのは後にしよう。


すると、急に体が光始めた。少しくすぐったくて、でも、暖かくて。…なんだか眠気がやってきた。いい未来が待ってますように。


・・・・・・・・・・・・・・・


そうして、少年の第2の人生が始まった。


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作者です。

皆様、読んでいただきありがとうございます。

読んでいただけるだけですごくありがたいです!

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次回も是非読んでください。

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