第29話:《影刃》ドゥームブレード

「愚かなるものたちよ。スイカなどに惑わされよって……!」


ドリアン王は怒りに満ちた瞳でスイカ太郎とメロンナ姫を睨みつけ、一瞬の沈黙が流れた。その間、彼は威厳を持って黒いマントを振り払い、その中から巨大な剣を抜き出した。


その剣は闇の力を宿し、周囲の空気を凍りつかせるほどの冷たさを放っていた。その切っ先は鋭く、光を吸い込むような漆黒の鋼に覆われており、一切の妥協を許さない重厚な存在感を放っていた。


「見よ、これこそ我が《影刃》ドゥームブレードの力!  この剣がお前たちの存在を消し去り、闇に飲み込むのだ!」


ドリアン王の声は威厳に満ち、その剣の冷たさが彼の存在を一層強調した。彼の手に握られたドゥームブレードは、まさに絶対的な力と威厳を象徴していた。


「《影刃》ドゥームブレード!? まさか、あの伝説の!?」

メロンナ姫が驚く。

「ドゥームブレード? それはなんだ?」

俺は聞いた。


メロンナ姫の説明によると、《影刃》ドゥームブレードは、スイカが作った最初期の果物である「神秘のスターフルーツ」の計画によって創造された。

スターフルーツは、スイカが最初に創造した果物の中でも最も特別であり、その美しい光り輝く果実は宇宙の星々を思わせるような模様を持っていた。スイカがスターフルーツを作り出す際、それには善と悪、創造と誘惑の対立する要素を取り入れ、その果物が世界に存在する限り、バランスを保つ使命が与えられたのだ。


《影刃》ドゥームブレードは、神秘的な果物から力を引き出す神話上の鍛冶師カイロスにより、神秘のスターフルーツから生まれ、その果実の力を刀身に封じ込められた。しかし、その果物そのものが善と悪の要素を含んでいたため、ドゥームブレードはその力を使う者の心に影響を及ぼし、誘惑と闘いの試練をもたらしたのだ。


最初の所有者は、古代の勇者アルデリンで、彼はドゥームブレードの力を用いて猛烈な巨人の一団を討ち倒した。その後、ドゥームブレードはウィンターフォード国の王、バルドリックに引き継がれた。バルドリックはこの刀を用いて国境の脅威を退け、ウィンターフォードを繁栄させた。


しかし、次にドゥームブレードを手に入れたのは、闇の支配者ソロモンであった。彼は刀の力を誤用し、国を恐怖に陥れる。その暗黒時代は「ソロモンの暗黒時代」として記録されている。


ソロモンの支配から解放された後、ドゥームブレードはフィリアン王に受け継がれ、彼は国を再建した。続いて、勇敢な女戦士セリーナが刀を手に入れ、王国を守るために戦った。彼女の治世は「セリーナ女王の時代」として讃えられている。


ドゥームブレードは次第に「暗黒の国」イシュトールに渡り、悪の支配者エラクトゥスの手に渡る。エラクトゥスは刀の力を悪用し、国を支配した。


最終的に、英雄アルディスがエラクトゥスとの壮絶な戦闘の末にドゥームブレードを奪還し、闇の力を封じる。アルディスはその後、刀を永遠の眠りにつける場所を探し、刀の暴走を防いだはずであった。


長い間、《影刃》ドゥームブレードはアルディスによって永遠の眠りにつけられ、その場所は失われていた。そうだれもが信じていた。


ドリアン王は笑い、その歴史に新たな一ページを付け加えた。

「三十年前、私は王国内で行われる遺跡の発掘調査に参加していた。ある日、調査隊が古代の神殿跡を発見し、その中には幾重にも封印された部屋があったのだ。


私と調査隊は神殿内を探索し、最深部の部屋で、一つの神秘的なアーチェイファクトを発見した。巨大な宝石が刀身に組み込まれた、美しい刀だ。この刀こそが《影刃》ドゥームブレードだったのだ。


私は刀を手に取り、その力を感じた。この刀が王国を強大なものにする手段と信じ、刀の力を解放したのだ!」


ドリアン王は剣を手にすると、重々しく振り回し、その切っ先を俺とメロンナ姫に向けた。


「ドリアン王! その刀の誘惑に屈したな!」

俺は叫び、身構えた。


俺とメロンナ姫は、ドリアン王の持つドゥームブレードの重みと脅威を感じつつも、揺るぎない信念と共に立ち向かう覚悟を決めたのだった。


俺たちは迫りくる闇の力に立ち向かい、真実と希望を守るために戦いを続ける覚悟を決めた!


さあ、決着のときだ!

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