第22話:魔術師ドリアン子襲来

俺たちはドリアン太郎を倒して、ドリアン王の王宮の間へと向かった。


しかし、その扉に近づいたとき。一人の少女が姿を現した。

彼女の銀髪が宛てもなく舞い、紫の瞳が冷酷なまなざしを放っていた。

その銀髪は、ランプの光を反射しながら輝き、美しさはまるで月光に包まれたようであった。紫の瞳は深淵の底から覗くような神秘を秘めており、まるで魂を呪縛する力を持っているかのようだった。


彼女はドリアンの花からなるローブに身を包み、その身には古代の魔法の刻印が浮かび上がっていた。彼女の手には、ドリアンの葉で飾られた、毒蛇のような曲線を描く杖が握られており、その杖の先端からは薄紫色の霧が漂っていた。それはまるで死の予感を運ぶ幽玄な存在であり、周囲の空気をも凍りつかせるような圧倒的な魔力を感じさせた。


少女は謁見の間に続く扉の前に立ち、静寂を纏ったまなざしで私たちを見つめた。その唇からは冷たく響く声が漏れた。


「私こそがドリアン王親衛隊の副隊長、ドリアン子だ。お前たちに真の恐怖と絶望を教えてやる。これまでの強者たちが私の前に倒れたように、お前たちも同じ運命を辿るのだ」


「何だって? お前は誰だ? どうして私たちを止めようとするんだ?」

俺は怒りを抑えながら尋ねた。


「私はドリアン神の信者だ。ドリアン神はこの世界の創造主であり、唯一絶対の存在なのだ。あなた方はドリアン神に反逆する者であり、あなた方はこの世界から消えるべきなのだ」


「違いますわ! この世界の創造主はスイカですわ! スイカはこの世界を愛しているのです! ドリアン王はスイカを利用してこの世界を支配しようとしているだけですわ!」

メロンナ姫が叫んだ。


「そんなこと言っても無駄だ。私はドリアン神の力を受けている。ドリアンの毒の魔術が使えるのだ。あなた方には敵わない」


「そんなことない! 私もスイカから力をもらっている! 私もスイカの甘さの魔術を使える!」

スイカが言った。


「では、試してみよう。どちらが強いか、勝負だ」

ドリアン子は宣言した。


その言葉に、俺たちの心に不安と緊張が広がった。彼女の存在は、まさに死の使者と化していた。可憐な姿とは裏腹に、彼女は魔術の使い手であり、ドリアンの毒や呪術を使って敵を翻弄する恐るべき存在だった。


しかし、俺たちは恐れを振り切り、決意を固めた。この闘いに敗北することは許されない。我々は力を合わせ、彼女に立ち向かう覚悟を胸に秘めていた。


ドリアン子の登場は、重く暗い空気を纏い、恐怖と絶望を俺たちの心に刻み込んだ。彼女の魔術の力と美しさ、そして冷酷なまなざしは、俺たちの最大の敵となることは明らかであった。


しかし、俺は決して折れることなく、勇気を持って立ち向かい、この戦いに打ち勝つ覚悟を決めた!

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