繰り返し、クリカエシ
愛好栗一夢
繰り返し、クリカエシ
『最後に笑うのは誰なのか』
この世界は巡り続ける。
繰り返し、クリカエシ
姿をみたことも、話したこともない『あの人』が喜ぶまで。
繰り返し、クリカエシ
『あの人』が喜ぶ結末になるまで。
繰り返し、クリカエシ
『今回』ももうすぐ終わりを迎える。もうすぐエンドロールが流れる。
あの人が気に入れば、今度こそ未来を見れるのかな?
陽の光を体いっぱいに浴びられるのかな?
煮えたぎる苦しみを忘れられるかな?
数々の戦いを重ねた、たくさんの人を殺した。
それが自分の『役職』だったから。
『あの人』が自分に与えた、物語上での『役職』だったから。
この役職は、苦しむ運命。
この役職は、悲しむ運命。
未来に進めばハッピーエンド、巻戻るなら繰り返し。
『英雄』という『役職』。
気づけば自分は最初の大地にいた。
また、時が巻き戻ったのだ。
『あの人』が気に入らなかったのだ。
また悲しみが始まる。
また苦しみが始まる。
…何も、感じなくなる。
今日も世界は巡る。
繰り返し、クリカエシ
ずっと夜の世界で。
繰り返し、クリカエシ
みんな、誰かの手の上で、踊らされている。
繰り返し、クリカエシ
「…あーあ、今回は惜しかったね。まあ、次は行けるんじゃない?」
どこでもない場所で、一人呟く人物。
人ならざるものの笑みを浮かべ、世界で遊ぶ。
「…僕が誰かって?さあね、未来にたどり着いたら教えてあげるよ」
繰り返し、クリカエシ
巡り続けるこの世界で、最後に笑うのは誰なのか。
〜終わり〜
繰り返し、クリカエシ 愛好栗一夢 @ice_vanillaaji
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