サラダバーで8時間ドリンクバーでは6時間
「あの店長、もう8時間いますよ。あのお客さん。」
「え、何のこと。」
「B14席のお客さんの事ですよ。いつも着てる。」
「ああナカガワさんとヤマモトさんね。いいじゃん気持ちいい食べっぷりだし。」
「よくないですよ。苦情が来てます。この店の食べログあの人らのせいで1.3なの知ってますか?」
「え、そうなの。なーんか客の入り悪いなーって思ってたんだよね。」
「何とかしてくださいよ。店長でしょ。」
「えーマリちゃん何とかしてよ。」
「嫌ですよ。絡まれたくないし、あいつらと関わりたくないです。」
「しゃーない。店長頑張っちゃうか」
「はい、頑張っちゃってください。」
B14席へ。
「お二人さん。いつもありがとうね。ちょっち声小さめでしゃべってくれると嬉しいなぁなんて言ってみたり。お茶目なおじさんの頼み。うんうんうん。」
「え!そうなんすか!!迷惑かかってました!すいません!気―付けます!!」(クソでかボイス)
「マジすか、へっここのサラダが、うま過ぎて。な、ユウヤ。うまいよな。それ話してた声かもです。すんません。あと僕ら盛り上がると周り見えなくなるんですいません」
ナカガワの下の名前はユウヤというのか。そんなことより悪気が無いうえにピュアだこいつら。どうしよう。
厨房へと戻る。
「マリちゃん。マリちゃん。」
皿を拭いている。この時間一人だけののバイトの肩をたたいた。ラストオーダー寸前のこの時間、セルフサービスでやることのないうちの店は二人でも重い舵だが何とか回る。
「なんですか店長。変な顔して。」
「へんな顔て、おーい。それはいつも、てちゃうわい!なんつって。あの二人だけどさ。無理だった。あいつら気持ちいい奴ら過ぎて、おっさん強く言えんかった。だからね。」
「あーはいはい行きますよ。ほんと嫌ですけどね。この仮をは高くつきますよ。」
「当店、11時閉店となりますがラストオーダーの方はよろしいでしょうか。」
「それよりお姉さんかわいいね。俺の彼女にならない。めっちゃタイプあんなおっさんといるの勿体ないくらいだよ。こんな店にいるの勿体ないよ。俺に永久就職してもいいよ。」
(ひー顔もなげーし無理だわこいつ。どこからこの自信が来てんだか。)
「無理です。ごめんなさい。」
もう一人の方は静かだな。彼女と電話してるっぽいし。こっちはそれなりに顔いいし。モテそう。でも隣の奴めんどいし言っちゃうか。店長何とかしてくださいよ。
「そろそろ、帰ってもらえます。あとめんどくさいのであなたたち出禁です。二度と来ないでください。」
「え!俺も!」
「はい。彼女いるので出禁です。早く帰ってください。もう一人のあなたは汗臭くて顔が長いので出禁です。さようなら。」
唖然として出ていく二人は最後っ屁だけ残して帰った。
「じゃあな!…イカレ女。」
「二度とくんなよクソガキども!!」
二度と二人が来ることはなかった。
「店長、やりましたよ。2人まとめて出禁にしてやりました。」
「ありがとう、マリちゃん。でもクビ。一応お客さんだからね。」
「そうですか。早くつぶれればいいのにこんな店。それと妙に親しくするのやめてもらえます。きもいので。私一応ここきて1週間ですよね。まじできもかったです。ありがとうございます。話のネタが一つ増えました。」
そのファミレスはあの二人が来なくなると、客もめっきり来なくなりやがて潰れた。
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