黒いホールケーキ

ごり

黒いホールケーキ


というのは略称のようなもので、それは空にぽっかりと開いた穴です、熱心な宗教家や専門家はやれ悪魔の巣だ、他国の攻撃だなどといいましたがどれも見当違いの大外れ、人の手の及ばないもの、人を狂わす魔の穴でした。深淵を覗いた者、皆気狂いになりに刺繍針だらけの小指が笑いかけてきたというのです。その気狂いどもによって創り上げられた宗教は穴信仰といい、信者は年々増えていきました。それもそのはず空を見上げて即信者、水溜りの反射で入信、テレビ越しでも強制的に信じさせられます。けれども皆前より幸せそうで、同調の渦ができ返って入信していない方が不幸である様な気さえするほどです。

いつしか、わが国は国家の機能を失いました。穴は国を滅しました。地球を滅ぼすのは隕石だとか太陽フレアだとかいいますが断言します、世界を終焉に追いやるのはこのホールケーキほど大きさのちっぽけな穴です。ただいま信者どもによる布教により世界的に認知され始めているのです。

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