第9話 過去の影

第三章: 過去の影



節1: ダリオの目的


「闇の森」を抜けた後、エリナとリリアは、古代の遺跡のような場所に足を踏み入れた。


この遺跡は、石造りの神殿や壮大な彫像で飾られ、時の流れと自然の力によって一部が崩れ落ちていた。


神秘的な雰囲気が漂う中、二人は遺跡の探索を始めた。


しかし、彼女たちの前に突如、黒いマントを纏った男が現れた。


彼の名はダリオ。彼の瞳は深い闇を秘めており、エリナとリリアに対する強い意志が感じられた。


「エリナ、リリア、ようやく会えたな。」ダリオの声は冷たく、彼の目的を探るような眼差しで二人を見つめた。


リリアは警戒しながらも、ダリオに問いかけた。


「あなたは何者? なぜ私たちを追っている?」


ダリオは深いため息をつきながら答えた。


「私の目的は、ドラゴンの遺産を手に入れること。


それを成し遂げるためには、エリナの持つ力が必要だ。」


エリナは驚きの表情を浮かべた。


「私の持つ力? 何を言っているの?」


ダリオはゆっくりと近づきながら、エリナの目を真っ直ぐ見つめた。


「お前の血には、古代のドラゴンの力が流れている。その力を私が欲しいのだ。」


リリアはエリナを守るように立ちはだかり、ダリオに向かって弓矢を構えた。


「私たちは、あなたのような者には絶対に力を渡さない。」


この遺跡での出会いは、エリナとリリアの運命を大きく変えることとなる。

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