第24話 白い部屋 - 6 -
涙が止まらない。俺が命を懸けて守った
「神様、ひとつ教えてください。なんでエルはそこまでして俺のことを?」
「
知っている。小鳥が生まれた直後に、目の前にある動いて声を出すものを親だと覚え込んでしまう現象のことだ。
「それと同じようなことがエルにも起きた」
「刷り込み現象が?」
「エルが初めて接触した人間がお前だ。そしてお前は男だった」
「どういうこと?」
「つまり、お前がエルにとって初めてで唯一の異性になった」
「他の男たちは?」
「もちろん、人間を見れば男女の区別はつくが、人間の言葉で言うところの『異性』はお前だけだ。俗な言い方をすれば、お前に惚れたと言うことだな」
こりゃまたびっくり。エルが俺に優しく接してくれたのは、愛情ってこと?
(うわぁ、シンジラレナイ)
今ならはっきり言える。俺はエルを好き...いや、愛している。そしてエルも俺のことを想ってくれていた。
エルの想いは嬉しかった。だからこそ、俺の代わりに命を差し出すなんてことは絶対阻止しなければならない。しかも、既に俺は生き返っているらしい。いったいどうすればいいんだ。
泣いて、詫びて、懇願して神様に縋ればいいのか。
それとも、今俺が自ら命を絶てばいのか。
いったい、どうすればいいんだ。
神様、お願いします。
お願いします。
お願いします。
お願いします。
なんでもしますから、どうか。。。
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