友人の定義

@ktren

第1話

私にとって、友人とは下着のようなものだ

履き心地にこだわりはあるものの、古くなったら感慨もなく捨てる。

次の新たな下着を迎え入れ

程よく利用して、捨てる


よく、一方的に親友宣言をされることがある

孤独な彼らを満たしたいがための、愚かな束縛宣言

こちらは、なんとも思っていない相手から与えられるその感情は

時として、私に重くのしかかり

私の自由を奪い去る


たとえ私が執着したところで、彼らもどうせ去るのだろう

つくづく、くだらない。


かつて、私が求めた者たちは

時を経るたび、この手をすり抜け

どんなに強く、逢いたいと願えども

どうせ願いは叶わない

私に寄り付く人たちは、

あいたくない物たちで

縁を切ろうともがくほど

執拗に絡みついてくる


はたして彼らを友人と呼べるのか

そもそも友の定義はなんなのか

理由も考えぬまま、適当な関係に酔いしれる人間の

なんと多いことか

くだらない。つまらない。みたされない。


努力しても報われない

あんなに頑張ったのに、なぜ私の環境は悪化するのか

あの日、賢い友を求めて駆け回った小さな私が

今も心の中で泣いている


自分の居場所はここじゃない

来る日もくる日も思い続け

次第に心が疲れてきて

突きつけられる現実に

街が光を失っていく


私には才能がないのか

やはり私には、遠すぎる夢だったのか

人は、忘れろというけれど

それは随分と酷なことで

過去の自分を自らの手で殺さねばならぬ

光のもとでも、温まらぬこの心を

だれに告げればよいのだろう

同情もされぬ哀しみを

いつまで抱えれば良いのだろう

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