再会
「レイだよね」
俺は後ろから誰かの声が聞こえた。
振り返るといたのは女性だ、誰だ?忘れてしまっているのか、こういう時に人を忘れると言うのは絶対にやってはいけない事だ。何とか思い出せ…と思ったが、俺が話した事がある女性なんて数少ないじゃないか。
まずシュナさんは違う、見たばっかだから顔を忘れる訳が無い。
後はカノンか、あいつはこの人より身長も低いし、幼く見えるし何より男だ。
さらに故郷に帰って農業してると言ってたしな。そう考えるならカノンでも無い。そうなると誰だ?やばい思い出せない。
「サラだよ、忘れちゃったの?レイが初日に母親と間違えた人だよ」
(おおーそう言えばそうじゃん)
ルドが言ってんならまあ合ってんだろ。
俺は「サラだよね」と忘れる訳ないじゃ無いか見たいな雰囲気でやる。
「覚えててくれたの…嬉しい!」
(当たり前じゃないか)
「まあそりゃ当然」
「見ない間に随分雰囲気変わったね
体付きも男っぽくなって、ちょっと身長も伸びた?
…って喋りすぎちゃったね」
「大丈夫。気にしてない」
「喋り方も変わったよね
前は本当子供みたいに可愛らしい感じでカッコよかったけど今見たいな逞しいレイも全然カッコいい!」
「そりゃどうも」
やっぱり見た目、雰囲気は側から見ると別人のように見えているらしい。それなら転生系主人公みたいな態度でいいかな?
でも俺はそんな事を悠長にやってる暇なんてない。もう一つあるじゃないか転生系あるあるの魔王を倒して世界を救うとか何とか。
「ねえさっきの人は誰?チームメイト?」
「違う。俺の師匠」
「へー師匠なんかいるんだね
もしかしてレイ硬貨とか大丈夫なの?」
恐らくサラは師匠が俺に教えてやると称して金を徴収でもしていると思っているのか、それは問題ない無償で良いと最初に言われている。逆に金を取るなんて言われてたらそん時は金無いし。
「それは問題ないかな、師匠良い人だし俺も強くなってるから騙されてるとかはないよ」
「そう良かった…ってか一人称!俺になってる
師匠とか出来ると一人称も変わるもんなの?」
そりゃないだろ…こいつはバカなのか?アホなのか?
でも俺をレイルドだと思ってるんだ。まさか別人なんて思ってるわけ、無いもんな。
「もしかして別人?ならごめんなさいこんなに話してしまって」
えっ
気づかれた?慌てて俺は弁明として「違うよ」の一点張りをきめる。
そしたら、「そりゃそうよね」とあっさり受け入れてくれた。なんなんだウケ狙いか、やっぱりウケ狙いなのか
「ごめんね嬉しくってつい…」
つい、、でそんな事をするなんて結構変わってる人なんだな。
「あーサラはね結構アホなんだよね分かると思うけど、学校では優秀生で慕ってた人も多かったらしいけどこれを見るとそうは思えないよね。でも根は真面目で良い人なんだ。人当たりも良くて、こんな僕を拾ってくれた人だからね」
???
なんか重要そうな事が聞こえた気がするが、反応して声を出すとサラに不審がられるからやめておく。
(拾ってくれた人?ルドそんなに貧しかったのか)
「………よし!
単刀直入に言うけど私とチームを組まない?」
「大丈夫」
「それはどっちの意味で?」
「よろしくお願いしますって意味」
「良かった。じゃあ明日からよろしくねっ午後10時ここに来てね」
そう言って嵐のようにサラは帰っていった…と思ったらすごい勢いで戻ってきた。ギャグかよ
「今日泊まる所は決まってたりする?」
「まあ、適当な宿にしようかとは思ってたけど」
「なら私の家に来る?ベットもあるし」
良いんですか?なら行かせていただきまーす!!
もしかして、ワンチャンあるか?
はい、全然シングルベッドでした。
なんなら別室だし、今はその時ではないようです。
「サラの家は有名なギルドの一人娘らしいよ
だからこんなに立派な家があるんだ」
「安心しろルド俺がここよりデカい家に住まわせてやるから待ってろ」
「そこまで待てないかな時間も無いし」
ルドの含みのある言葉に俺はあまり気づかなかった、俺の想像している時よりずっと早くルドはいなくなってしまう事を。
俺はふかふかのベッドで静かにテンションが上がってる所サラがやってきた。
パジャマ姿はルドも初めて見るそうだが、全身水玉模様で袖が手の甲まで隠れていて幼く見える。歳上なのだが。
「聞いてなかったんだけど、レイは今どのくらいなの?ランク、私達の最高ランクはDだから入りやすいけど本格的にCを目指してるから少し大変なとこ行くかもだけど」
「あ、俺、一応Cランクなんだけど…」
やっぱりCランク冒険者は以外と凄いのか、師匠はBランクだし、シュナさんに関してはSランクだ。自分の凄さは少しわかってたけど過小評価だったのかもしれない。
「え!Cランクなの?一人で?凄いね本当に頑張ったんだね凄い本当に凄いよ!」
「ありがとう、そこまで褒められると嬉しいな」
「じゃあ安心だレイが私達を守ってくれるから」
それは不安だ。何人いるか知らんが、3人とかいられると流石に一人じゃ無理がある。
でも学校の人で組んでるだろうし魔法はある程度使えるのだろうと思っていたが、魔法学校では初級までしか使えない人が多数で中級を使えるのは一握りの才能だけで上級なんて学年で3人いるかいないか程度の事。
サラも優秀生ではあったけど使える魔術は火の中級と回復の初級、風の超初級だけらしい。
そう考えるとシュナさんは学校でめっちゃ努力したんだろうな。あと魔力の総量は生まれた瞬間に決まるとの事で無い人もいれば、極微量な人もいる。
俺も魔力は少なくは無いけど、別に多い訳でもない。シュナさんよりは断然少ないし、師匠も結構多いらしい。そう考えると俺の周りにいた人が優秀すぎる。
「じゃあ今日はお休み!明日のために寝なくちゃ」
サラは自分の部屋に戻っていく。
俺も電気を消して目を閉じる。
「チームを組むのか…大丈夫か俺」
午前10時、サラと俺、絶賛俺のせいで遅刻中。
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